2023.12.30

昨日の日記を読んだ奥さんは、なんだかフラグみたいだな、と苦笑いした。ぽかぽか陽気の快晴で、上着を脱いでも大丈夫なくらいだった。この二ヶ月、たった二ヶ月を過ごした四人の顔のそれぞれに滲む憔悴、そのなかでヒデさんだけ全く変わ…

2023.12.29

人生は愛と死なんだって。ほんとうにそのとおりだ。平素であれば鼻白らむような陳腐さが、こわいくらいまっすぐに入ってくることがある。今日はそういう日だ。 家にいてもどこにいても落ち着かないから、十三時前から物販列に並んだ。二…

2023.12.28

大詰めの原稿に引用するのにちょうどいいものがないかとド・マン『盲目と洞察』やベケットの小説群などをザッピングしつつアレナスの『真っ白いスカンクたちの館』もてきとうに開いてみたらどのページもたいへん愉快で、任意の場所から声…

2023.12.27

本の栞の「2023年・本の栞でよくうごいた10冊」に『差異と重複』と『会社員の哲学』の二冊が選出されており小躍りする。六月はスタンダードブックストアでのイベントの翌日に日記についてのお話し会を開催した。イベントの後は蟹の…

2023.12.26

朝も遅かったし昼寝もした。それなのに二十二時にはもう眠たい。 あらゆることがちょっとずつ停滞していって年の瀬らしい気分が高まる。今年はなんだかこうして強制的に弛緩させられるようなありかたが沁みる。あるいはただ僕が弛んでし…

2023.12.25

すっかり年末気分で、きょうは26日だと思い込んでいた一日。そのくせ降臨をモチーフにしたスウェットを着て家を出ていた。黄ばみが目立つので本来は洗濯しないといけなかった。年始のプロレスの予習に励んでいるが、これは29日のバク…

2023.12.24

『ポスト・サブカル焼け跡派』読了の興奮醒めやらないまま録音。やたら喋った。すごくいい本だった。表紙の軽さに似合わず硬派で、これまで触れてきたサブカル語りでもっとも面白い、というか、はじめて面白がることができた。この本を読…

2023.12.23

奥さんが明日のディナーの仕込みをしているあいだ、僕は原稿をひとつ書き上げて、もうひとつの下拵えを済ました。前者は2000字指定のところ5000字近くまで膨れ上がり、なんとか規定内に収めるのに四苦八苦した。後者は4000字…

2023.12.22

どうやらどこぞの中学受験の入試問題に『文學界』に書いた「無駄な読書」が採られたらしい。中学受験のプロという人のブログが検索に引っかかってきて知った。問題文の解説をするプロは問題文の著者プロフィールから紹介したいようなのだ…

2023.12.21

午前中から電車に乗って森林浴に出かけた。木の死骸が圧縮されて糊で固められたものたちが犇めく池袋のジュンク堂。年明けのプロレスにお誘いいただいた方よりおすすめいただいた『現代プロレス入門』の置いてある二階の実用書コーナーを…