2021.09.28(2-p.166)

弱気な人は嫌い 青空裏切らない

ナディアは悪名高い無人島編に突入。自分勝手で独善的でわがままなナディアが可愛らしいし、それに我慢強く付きあうジャンも可愛い。よっぽどだったら飛ばすつもりだったけれど、それなりに楽しくてたぶんこのまま観ていくだろう。作中の彼女らと同年代の頃に観ていたらナディアに腹を立てていたかもしれないが、いまとなっては子供たちはみな微笑ましい。健やかに傲慢であれ、と思う。

ナディアは食肉を拒絶する。そこで僕に問いかけるのはワディウェルだった。すこし寝かせていた『現代思想からの動物論』を読む。今日はするする読めるようで、ようやくリズムを掴んできたかもしれない。マルクスが参照され、マルクスって面白いんだよな、と思い、久しぶりに『資本論』にも手を出した。

「会社員の哲学」の原稿をようやく進める。終わるのだろうか。終わらせるしかない。いい本にしたい。どうしても『プルーストを読む生活』を喜んでくれた人たちを意識してしまうが、僕は僕だけのために僕が読みたいものが作れればいいのだということを忘れないように気をつけながら書いていく。日記と違った層に届いたら楽しいし、日記ではごまかせていたかもしれない自分の大したことなさが露呈したらそれはそれでいい。とにかく作り続けること。一回の当たりで満足したり日和っていてはつまらない。つねに何か手を動かしていたい、作ったものへの反応があるとそのための糧になる、というだけのことであって、完成した作品はすでに僕とはあまり関係がない。『プルーストを読む生活』がたくさん売れて松井さんをお金持ちにできたら嬉しいとは思うが、一作だけをこすり続けていきたくはない。ささやかであれ成功というのはたいへんなもので、失敗の怖さが何倍にも膨れ上がる。しかしZINE というのは試行錯誤の過程で出てくるなにものかであって、どれだけ壮大な失敗をやらかせるかにこそ賭けるべきものではないか。まるで初めてのように、無謀さと尊大さと心細さをもって進め、と自分に言い聞かせる。

少しずつの幸福 勇気も奏で出すの

奥さんは今日二回目のワクチン接種で、腕は痛そうだった。明日どこまで具合が悪くなるか心配だが明日は出社の予定がある。なるべく早く帰ってきて世話を焼きたいが今日もすでに、あなたがチヤホヤしたいだけでしょ、とお節介を断られてしまっているから、明日もどうせ家にいたところですることはほとんどないのだ。

台風は順調に近づいているようだが今日はそこまで辛くなかった。小一時間ほど昼寝はしてしまったけれど。hulu にロメロの『クリープショー』が入っていて嬉しい。近いうちに観よう。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。