2023.01.19

最後の──そのつもりだがどうなるかはわからない──日記本の準備をしている。2021年の日記。ネロちゃまに狂っていて、話が長えし論旨がこんがらがっていて読みづらいことこの上ない。自分は推しへの情念にめちゃくちゃにされて言語野を破壊されるオタクとは違う、という自意識が空回って、推しへの情念にめちゃくちゃにされて言語野を破壊されるオタクになってしまっている。気持ちがつんのめって誤字も多い。滑稽だ。誤字拾いを三月まで進めるつもりで二月上旬までしか終わらなかった。もっとてきとうに書いてくれ。読むほうが大変。自分のことだから茶化せるが、このころの僕はかなり必死になにかに縋りつきたかったのだと伝わってきて読んでいるだけで少しつらい。読み返してこの頃の僕はほんとに追い詰められているなあと思う。オリンピックを目前にして絶望しきっている。いまでも思い返すと許せなさが募る。このころはまだワクチンもどうにもなっていなかったのではなかったっけ。既に覚えていなくて、愚かしいほどたくましいなと呆れる。

夕方からは高田さんと録音でお喋り。多弁な二人で、とにかく話が止まらない。こういう年長者に構ってもらえるのはありがたいことだと思う。なにを喋ったかは微塵も覚えていない。録音を切ってからの方が面白かったような気がする。

日記を書く前にTVer で『City Lives』を見る。人類最後の配信者の短編を撮った人がテレビで作るホラ話。こういうのは大好き。呼吸孔に大喜びした。

自分の日記を読んでいると他の本が読めないし、なにより日記に満足してしまって書く気がなかなか起きない。もうお前の話はいいよ。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。