根を詰めて作業をしていたらあっという間に一日が終わっていた。夢中になってしまうのは楽しいが腰にくる。作業のおともに『モブサイコ』のアニメの二期をぶっ通しで流していて、見終えてしまった。二期のほうが面白かった。こういうアニメは登場人物との付き合いが長くなってきて愛着が湧いてきてからのほうが面白い。愛着は時間だけがつくるものだ。楽しみな予定に向けてやるべきことも、読むべき本も、片付けるべき面倒もあれこれとあって、なんだかんだでやはり用事があるほうがきげんはよくあるのだが、とにかく時間も元気も足りていない。忙しさのなかにあると、マッサージに行って、銭湯でのんびりして、半日寝て過ごしたいと心底思うが、いざ暇ができてそういうことばかりうだうだやっている時期はそんなに面白くなかったりするので、難儀なものだと思う。のんびりとは、忙しい時にしか見られない夢なのかもしれない。じっさいにのんびりしている時に感じるのは退屈ばかりだ。夢がない。のんびりってもっとこう、なんか豊かで丁寧な感じじゃないのか。そうであってほしい。その感受性が欲しい。『海からの贈物』を読んでいても、ほんとうに海辺の暮らしは充実しているのだろうか、それは街でのキャリアがあってこそのものなのではないか、という気持ちがもたげてくる。でも街にいると、たしかに海辺で貝に想いを馳せるような暮らしはどんなに素敵だろうかとうっとりもするのである。