はやくから『プルーストを読む生活』を見つけてくださって、いつもSNS 越しに伝わる楽しそうに本を読んでいる様子が素敵な方が、『町でいちばんの素人』を読み出した旨をツイートをされていることをIFTTT で連携されたSlack の通知で知って、さっそくTwitter の画面に飛んでみるとアイコンが紫色に点滅している。スペースをやっているのだな、と軽い気持ちでタップすると、リスナーは向こうからも丸見えらしくすぐに気づかれてしまい恐縮した。いくらか言及してくださり、くすぐったい気持ち。終盤だったようですぐに終わってしまったので、さっそく録音を再生する。なんだかとても楽しくて、きょうは単純作業メインだったのもあって、労働のBGM として過去回も含めて五時間くらい聞いていたのではないか。読者や書店員として発信することのスタンスだとか、YouTube の編集ツールについての集合知だとか、僕の知らない知見がさりげなく散りばめられていて、とはいえ基本は友だち同士の通話をお裾分けしてもらっているような気楽さがあって、穏やかな関西弁のリズムがとても心地がよかった。本を愛好し、琴線に触れた本を共有し合うようなコミュニティは、僕が気が付かないところでこんなに豊かに広がっているのだな、きっとこういう交遊がいろんなところにあって、そうした具体的に血の通った関係によってじっさいに本が動いていく。僕自身ただとにかく本を読むのが楽しくて、だから自認としてはあくまで読者なので、僕もこうやって本の話ができる友人が欲しいなあ、という気持ちが湧いてきたし、いや、僕にもいなくはないのだよな、書くことに多少の比重が振り分けられているにしても、まず読むことからしか始まらないのだから。本を作ることでできた友人とは、とにかく書くことよりも読んだ本のことを話しているはずだった。僕は日記もポッドキャストもとにかくなるべく生で出すことをやっていて、それはまず第一に不精だからなのだが、だからこそ動画編集だとか、漫画の制作だとか、手間暇のかかるアウトプットに憧れるし、たまに手を出してはすぐに諦めるのだけど、お話を聞いているうちに自分でもなにか時間のかかることをやってみようかという考えがふわっとやってきた。
春の気配が色濃くなってきて、精神衛生がよろしくない。ひとまずすこしでも不安を軽減するために、ものすごい勢いで作業を前倒しにして、とにかく形をつくることにする。僕はとにかくせっかちで、じっと待つことや、立ち止まることが苦手だ。ひとまず手を動かしたいし、とりあえずの形ができあがったらすぐ見せたい。ぜったいに動画や漫画に向いていない性分なのだが、やりたいのであればやるだろう。とりあえずTikTok のアプリを入れ直した。