腰から肩甲骨にかけての背後、お尻の付け根から太もも、二の腕、このあたりに強烈な筋肉痛があり起き上がるのに難儀する。きのうよりつらい、と言うと、この歳で当日にいっぺんにきてくれると思うか、と不敵に微笑んだ。この状態で行くのか。あまりにもあんまりなので腰とお尻とふとももに湿布。きょうは9箱で二往復。いったん一区切り。あす『あまり読めない日々』の増刷ぶんが届くので、そしたらあと四件送ってほんとうの一段落。随筆かいぼう教室のノートを作りたいが、くたびれたのでクールダウンにお昼がてら散歩。もう15時ちかくて、食べる量に悩む。なにか肉体疲労に効くものを。あ、でもこの時間になるとランチ営業終わってるな。なんだかどうでもよくなってきちゃった。オープンからずっと気になっていた棚貸し本屋にようやく行けて、当初ツイートなどで確認していたよりもずっと本が増えている。聞くとまだ受け付けているとのことだったので、その場でひと棚おさえておく。あふれた在庫の倉庫としても使えるだろうという目論見。ついでに本棚の整理もしたいが、いい本は機械書房に売るつもりだ。帰ったら17時前とかで、流石にお腹が空いたので夕食の豚汁を作るついでに豚丼もつくってそれを食べる。営業について考える。
ぐいぐいいって、ダメそうならさっぱり手を引く。多感な頃はとりあえずさっぱりしていたくて、ぐいぐいいくのができなかったけれど、あれはたぶん黙っていれば可愛がってもらえるという前提があったんだろうな。加齢とともに「初手で好印象を持たれることはない」みたいな心持ちになってからは、とにかく前のめりに売り込んで、きれいに諦めるというのができるようになってきた。第一印象ですこしでも下駄を履かせてもらえると思っているから一歩が踏み出せない。最初からよく思われていない前提であれば思い切って売り込みができるというものだった。そしてダメが前提なのだから、スパッと諦めるのも容易だろう。
豚汁もサラダもしょっぱくなってしまって失敗だった。豚丼から二時間くらいで夕食だったのもあってあまり箸が進まない。お風呂を沸かしてゆっくり入る。宮崎さんのスペースの録音を聴いたり、文体論についてのいくつかの論文を読んだりする。池田亀鑑の「自照文学」についてのものを探していたのだがうまくいいのを探せず、とりあえず目についた『宮廷女流文学』にまつわるものをいくつか斜め読みしておく。脱線して発見した小谷瑛輔「一人称リアルタイム語り小説の成立と展開」が面白かった。
『違う冬のぼくら』をクリアする。ゲームの遊び心地は面白かったけれど、シナリオは面白くなかった。『It Takes Two』もそうだったけれど、二人の視座の違いを面白がるようなゲームのシナリオはどうも楽観と悲観の両極にふれがちなのかもしれない。違うと似てるのあいだにこそ関係の妙味というのはあるのであって、幼稚な二元論では捉えられないと思うのだけれど、1と0のプログラムの発想はそういうファジーなものを描くのが非常に苦手だ。これはゲームに限らず、デジタルツールに慣れ切った現代の人間たちの大半に当て嵌まる特徴である気がしている。首を掻くだけで二の腕に鈍痛が走る。イベントまでに治るだろうかすこし不安だ。