会場 スタンダードブックストア2Fギャラリー
日時 2023年6月10日(土)19:00~ 20:30頃終了予定
出演 スズキナオ、柿内正午
チケット ¥1,650
ご予約はこちらから! →https://standardbook.thebase.in/items/73922259
文筆もする会社員・柿内正午が「人文の香りがしつつ、働くことについて等身大で考えるようなエッセイを書きたい」という思いで2021年に制作したZINE『会社員の哲学』。その増補版を今年の5月に刊行しました。
ことさら出版での書評連載「読んでは忘れて」で『会社員の哲学』を取り上げてくださったスズキナオさんとともに、会社員という経験、他者を面白がる方法、日々のささやかな喜びを発見する目の養い方、などなど、「鹿爪らしくなく、とはいえ現状追認しているわけでもない、他者や社会にひらかれつつごきげんに過ごす」ための日々の実践についてお話しできればと考えています。
世の中のルールを脱臼させる方法をぼんやりと模索したり、なんだか怖い外からの“圧”をゆるくかわしながら別の何かを探し出そうときょろきょろしながら、どんな状況下でも軽やかな新鮮さを保とうとするスズキナオさんの本の読み方は、そのままご本人の世界に対するスタンスの表明のようだと感じています。当日はそうした本の読み方についてもわいわいお話しできればと思います。
★★★
スズキナオさんの文章は、日常を忘れるような非日常の探究ではなく、日々の豊かさをすこしだけ気前よく盛る「特日常」とでもいうようなものへの読み替えだと思う。たとえば最近のこの記事。町を歩いていてふと起こっては忘れていく好奇心を捉えて、にゅるっと入り込んでいく。
あるいは紀行文の連載「自分を捨てる旅」。インタビューがない回ですら視点が常に外を向いていて気持ちがいい。「捨てる」といいつつ、スズキナオさんの文章における自我はつねに白湯みたいなのだ。にゅるっと外へと溶け出していく。
そしてなにより本を読む人としてのお話を聞いてみたい。書評連載「読んでは忘れて」はもちろん、散歩や飲み屋の記事にもしれっと本が出てきたりする。日々をちょっぴり特別なものに読み替える技法、ある記事でおっしゃっていた「にゅるみ」の秘密に迫れたら。よろしくどうぞ!