雪の予報だったので家で仕事をしていた。ほんとうに降ってきたので驚いた。どうも雪の予報は難しいという印象が強い。この数年、天気予報の精確さにいちいち驚いている気がする。文明の進歩をもっとも体感するのはここかもしれない。雪は、思いがけず降るものであり、予告されると雨になるものだった。たしかそうだった。まだぱらついているくらいの昼のうちに買い出しに出ておく。『偽モノの錬金術師』のラフ版をkindleに入れて読みだすと面白くってやめられない。『メイドインアビス』ミーツ『HUNTER × HUNTER』みたいな読み心地。
日没は窓の外はほとんど真っ白なくらいの降りだ。雷も鳴る。風が強いのか、上空の気流はだいたいこうで雪が軽いからなのか、ほとんど地面と平行に舞っているように見える。今晩は常夜鍋。昆布をたっぷり二本、鍋に張った水に沈めてぜいたくに出汁をとるとさすがに美味しい。
夜はバベルの塔のゲームをやろうかとも迷うが、もうじき終わってしまうと思うと勿体ない。『ダンジョン飯』のアニメを見て、いいアニメだなあと思う。エルフの髪型が毎回ちがうのも楽しい。嵩張る服はどうしても一張羅になるぶん、紐や簪で装いのアレンジを工夫するという態度は、実はダンジョン内で狩猟採集することで日々の食事を賄う態度とも通じている。制約の多い環境下でも、喜びを最大化する工夫を手放さないというのが僕はやっぱり好きだ。
お風呂に入って、YouTubeでコムロ探偵事務所シリーズ第一作『back-to-back』の全景映像を観る。画質も音質も拙いのだが、それでもじゅうぶん楽しめる。舞台配信は、下手なスイッチングなどなくして、全景のほうが絶対に退屈しないのにな、ということを思う。このシリーズは探偵もののくせに、いやだからこそだろうか、観客に先の展開を予測させるタイミングがずいぶん早い。三手くらい先まで容易に読ませてくれて、その通りのことしか起こらない。観客の予期への裏切りの乏しさは、本来ミステリとしては失格なのだが、その大半が目の前の出来事に集中することを求めてくる舞台作品としては、むしろ現前するものから次の次まで展開を類推させられ、実際その通りのことが起こるという体験自体が、探偵の快感との相似として新鮮な喜びになりうるという点で、プロットの空疎さや素直さは長所ともなりうるというか、実際ちょうどよくそうなっているのが本シリーズなのだと思う。
観終えると日付を越していたので日記は諦めてさっさと寝る。寒い時に夜更かしするとろくなことにならないからだ。