2024.06.09

午前中に録音をして、この半月は週末が混んでいて月曜や火曜に録りためておくことが続いたからずいぶん久しぶりの感じがする。お互いにこの場でこそ話したいことが積もっていたようで、早口でわあわあ喋る。どちらかがわあわあ喋り、片方が呆れたように聴くというのはよくあるが、お互いにわあわあ喋るというのはなかなかなく、しかしこういうのをやりたくて録音しているのだから当然楽しく、喋れば喋るほど元気になった。僕は奥さんとのお喋りがとても楽しくて、いつも嬉しい気持ちになる。

十六時からはプロレスの配信なので、それまでのやることを確認し、てきぱきと実施する。まずは昼食。それから収納計画。ふたりで家のものをリストアップして住所を想像してみる。奥さんがCADのフリーソフトで新居の図面をトレースし、現在の住居の大物家具や収納を同じ縮尺の四角で描いていく。そのソフトは文字を入れ込むのは苦手なようなので、いちどPDF化したものを僕がAffinity Publisher で加工し四角に名前を入れていく。これを印刷して四角を切り出して、新居の図面に並べてみては、ここは柱と干渉しそう、これは意外とここに収まる、などと検証していく。本棚は造作してもらうので、すでに撓み切ったカラーボックス類は思い切って処分。既存の本棚もべつの用途に転用するなどして分散させていく。漠然とものが溢れるんじゃないかと思っていたが、こうしてシミュレートしてみるとけっこう余裕がある気がする。ほっとする。ほっとするためには、なるべく精緻に検証してみることが大事で、しかし僕はそれを億劫がりがち。奥さんが率先して始めてくれるから、最初はしぶしぶ付き合って、気がつけばとても助かっている。

十六時には終えて、大阪城ホールでの試合の中継を観る。試合の途中で集中力が切れて、わちゃわちゃした乱戦の時間を見計らって肉豆腐と味噌汁を作って、前者は丼にする。それを掻き込みながらセミファイナルを見守る。きょうは盛りだくさんだったが、やはりなによりBEST OF THE SUPER Jr. の決勝戦。この一ヶ月、過半数の試合は追ってきたんじゃなかろうか。毎日の興行を追いかけるのが楽しかったし、しんどかった。多すぎるのだ。時間の多くを持っていかれた。デスペに勝って欲しかった。そのころには食べ終えて、ふたりでハラハラ観戦。石森太二、かっこよすぎる! ほぼ休みなく繰り広げられる技の応酬。そのスピードと運動量に息をのみ、圧倒的な実力に惚れ惚れする。結果には大満足。面白かったなあ!

ほくほくした気持ちで夜の散歩がてらスーパーへ。野菜や果物、あさりと鮎とほっけを買う。おやつもあれこれ買っちゃう。行きは夜風が気持ちよく、帰りは生温かった。雨でも降りそう、と話していると、帰宅してゴミを出すころにはほんとうに降っていた。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。