2021.05.30(2-p.53)

三〇日の夜はものすごく自然に日記を忘れた。寝入りの瞬間にようやく、あ日記、と気がつくほどで、これまでも翌日に持ち越す時はあったが、ちょっとの罪悪感とともにまあ明日でいいかと決断をしていた。それが昨晩はまったく日記が意識に上らないまま一日を終えて、それでもこうして続けていられるのだからもう意識的に継続ということを考えないでもいいようになっている。

前日の遊びまわった疲れが抜けきらず、睡眠の質もあまり良くなくて明け方には目が冴えてしまっていた。というのも今年の誕生日は僕はやけに死を意識していて自分の心拍がやけに気になったり、いつかこれも止まる、止まるだけで終わる、長くても後これまでの時間をあと2セット過ごせるかどうか、みたいなことをしきりに考えていて、考えすぎてだいぶ精神的に参ってしまった。心拍数は上がり、呼吸も荒くなる。なんならもう今晩で終わるかも、みたいな妄想すらなんだか夜はリアルで、そんなんだから睡眠という意識の遮断すら恐ろしく、寝れたものではなかったのだ。そんなわけで体は疲れ切っているので午前中は寝直すことにして、午後に録音。そのあと出かけるつもりだったが無理は禁物とやめにして、奥さんの『ジャック&ダクスター2』の難所をムキになって代行したあと、どっと疲れがやってきて、もう一度寝ることにする。やはり寝付けず、困っていると、相対的に不眠の達人であるあずきの温めるやつを目に載せてくれて、それでスコンと寝落ちた。気がついたら二〇時で、夕飯を食べて気晴らしに『A子さんの恋人』を読み始めたらすぐに日付が変わる。ヨガして、また寝る。あんなに寝たのにまたぐっすりだったから、夕方の睡眠はきっちり負債を返すだけのものだったようだ。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。