2023.11.20

金田一耕助の心臓がギョクンとおどった。ギョクンというオノマトペにはしゃいで検索してみると乱歩も用いていたらしい。つまり、ギョクンは怪奇の音だ。週末の読書会に向けて『鵼の碑』を読み返そうと思うのだが、遅かったかもしれない。…

2023.11.19

昨晩は二人揃って酔っ払ったから冷静に止めるひともいなくて繁華街で終電を降りてカラオケでBUCK-TICK を二時間歌い通した。大きな声を出して気分がよかった。歩いて帰ったら四時前で、朝になったら喉が枯れているというのにい…

2023.11.18

増刷、それは根拠もなく信じること。とくに勝算もないというか、むしろこれまでの傾向からするともうこれ以上うごかないんじゃないかというタイミングで千部近く刷ってみて、まず思ったのはそういうことだった 零細個人出版をやっている…

2023.11.17

不細工な男がかぱっと口をあけて寝ている。停車して目が覚めても口はあいたままで覚醒しきってようやく閉まるようで不気味だった。またすぐに眠りに落ちて、かぱっと口がひらく。 久しぶりに着たジャケットの胸ポケットから2019年の…

2023.11.16

上野駅で屈み込む老人の脇を通り過ぎる。鞄の中身をごそごそやっているのだろうと思ったのだがあとから映像が再生されると鞄を覗き込むでもなく顎が胸につくほど首を大きく曲げていたようにも感じる。そして目線の先には鞄の中身ではなく…

2023.11.15

午前中に増刷分の『会社員の哲学』と『『ベイブ』論、あるいは「父」についての序論』が届く。段ボール十箱。さすがにひりひりする。これから大口の注文が来るとも考えられず、ちびりちびりと二年くらいかけて売れていけばいいやと思って…

2023.11.14

寒くて気が滅入るのでなにかカラッと馬鹿らしいことがしたいと検索していたらフランス書院文庫官能大賞に行き当たり今月末が〆切のようだから六万字くらいの官能小説を書いてみようと思い立った。『しししし』に書いてから小説の実作の面…

2023.11.13

朝はなんとか起き出して労働。起きたくないのに起きれてしまった朝に、ON READING で買った『起きられない朝のための短歌入門』を読む。僕は短歌の実作者にはなれそうにないけれど、あらゆる実作の話は面白い。先日の叔父の版…

2023.11.12

十一時まで眠る。半日寝ていた。実家の布団はダブルサイズで一緒に寝るのだが掛け布団は共用で奥さんは寝る時掛け布団を抱きしめる癖があるので明け方になると僕は追い出されて取り戻そうとしても端っこをひしっと握っているからなかなか…

2023.11.11

祖母に行ってよいかLINEする。すぐに返事がある。母の運転で午前中から家を出て、スーパーで寿司を買いに寄る。黒柴のハルはいつも飛びかかってきてくれるが、さすがに歳をとって落ち着いたのかどんっとぶつかってくるのではなく、ぴ…