「ご配慮をいただければ、この世界の美しさをさらに信じます。」
ドトールで『水中の哲学者たち』を読み終える。最初の文章に引かれるこの一文がなによりよかった。この一文に引っ張られて、子供たちの叫びに思わず涙ぐむ。簡明でありながら、滋味深いエッセイ。哲学書のテクノっぽさを茶化しつつ、優しい語彙でしっかりとエッセンスを掴んでいく。こういう柔らかいものを自分もかけたらいいなあと思う。どうしても格好つけてしまう。なんでもかんでも生活の語彙に翻訳すればいいというものでもなく、それではよりわからなくなることも多いような気もしつつ、ぐっと抽象度を上げたうえで具体をかすめていくような軽やかさに憧れる。
きのう届いたばかりのダンベルではしゃぎすぎたから、きょうは熱出るくらい筋肉痛かもと覚悟していた。じっさいは上半身に満遍なくうっすらと心地いいくらいの痛みがあって、ちゃんと効いている感じがあって嬉しい。動けないほどじゃないし、なんならいますぐダンベルで遊びたいが痛みがおさまるまでは我慢してもりもりご飯を食べるべきだろう。本や映像、ポッドキャストと違って筋トレは珍しく言語野が介在しないで済む気晴らしでもある。楽器が弾けない僕にとって、こういうのが頭から言葉を追い出すのにはちょうどいいのかもしれない。歌詞がなかったり聞き取れなかったりする音楽を聴きながら筋肉を大きくする遊び。さっそくKindle Unlimited で読める目ぼしい筋トレ本や食事法の本を端末にダウロードしておく。結局ブッキッシュであることから逃れられていない。
行き帰りの電車では 秀村欣二『ネロ──暴君誕生の条件』をちびちびと読み進めてネロちゃまに思いを馳せてる。明日から開催のワダアルコ展への気分を高めるためだが、やはり小アグリッピナに惹かれる。
足が猛烈に臭い。