2026.07.13

ポイエティークRADIO のDiscord で最新の録音への反応としてシュタゲにまつわるおしゃべりが盛り上がり嬉しい。僕がシュタゲが駄目だったのは主にキャラクタの喋り方がキツかったからだ。ノベルゲームや掲示板のユーモアって、文字として見ると面白いけど声になると途端に生々しさに負けてだめになるところがあるわけだけれど、そうした書き文字を喋っちゃうところに無理があった。「記号の世界で記号のキャラが記号のユーモアやってる」のは許容できるけど「生活感がある世界で生活感を脱色しきっていないキャラクターが記号のユーモアやってる」のがたまらなく嫌なのだ。

このあたりの話に対して、当時抱いていた感想や、状況を整理した上で作品のポジションについて、有識者の知見が持ち寄られていちいち感心した。鮫君への私信として押井守のよさを教えてくれというのも録音で話していたのだけれど、ここにも回答があって面白い。押井は「漫画」ではなく「映画」を撮ろうとしているという趣旨で、僕はふだんアニメを「動く漫画」として発想しがちで「映画」として考えていなかったことに気がつかされたりもした。活発なやりとりがなされるとそれだけで気分があがる。

それらを受けて奥さんともおしゃべりをし、奥さんからは、原作を魔改造して別物にするならせめて原案くらいに留めてタイトルやキャラクターの名前も変えて欲しい、などと申し立てがある。でも映画と漫画や小説は別物だしなあ、と応じていたら、「映画」のなにがそんなに偉いんだ、人が大事にしている作品を好き勝手にするのはよくないだろ、などと白熱しすぎて険悪になるほどだった。

流れ弾で読まず嫌いを表明してしまったので、マガポケで無料で読める分だけ『げんしけん』を読んでみたらふつうにめっちゃ面白い。これは好きだな。かなり好きかも。

という台詞がいい。全巻読みたいので今度漫画喫茶に行きたいが、このへんにちょうどいいのがない。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。