2026.07.24

昨晩うまく眠れなかったから日中はぽんこつ。夕方、雷雨がわっとやってきて、降り終わる頃にようやくシャキッとしてくる。あらためて昨日の社交で新刊を直売できたのはよかった。やっと本づくりが一区切りを迎えたという感じがある。ちゃんと打ち上げないといけなくて、本の場合それは手渡しするようにして売るということなのだ。目の前で売れるまで本って届いた感じがしなくて、売れると、あ、届くんだと自信というか、本に対するかろうじての信頼がやっと成立する感じがある。僕の本に信頼できるところがあるとすれば、それは僕自身がそれを全く信頼していないということを隠さないところにあるはずだ。僕は僕を全く信頼していない。自信も妥当な程度にないし、自己肯定感も実際に即した程度に低い。まったく大したことのない、どうでもいいものとして自分のことを考えているが、それでも我が身は絶対的にかわいい。自分への信頼も、実力への自信や自負も、あまり肯定できたものではないなと実際に即してシビアに判断しておきつつ、それはそれとして自己愛はしっかり確保しているところは僕の美徳であり、ストイックに何かを突き詰めきれない甘さの根幹でもある気がする。人のかわいさに根拠とか条件とかない。そのうえで、作品や仕事は結果がすべてであり、だめなもんはだめ。でも、結果というのがクオリティだけで決まるわけでもなく、かわいさ一点突破でなんかいい感じになってしまうことがあるのが作品の面白いところでもあり、僕はそこにだいぶ大きく賭けている。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。