2026.08.23

昨晩の地震は怖かった。ちょうど気持ちよく眠りに落ちたタイミングで大きな揺れがあり、寝室の床で眠っていたルドンも飛び起き、揺れがおさまったところで奥さんにくっつき、ヒトのあいだに陣取って二人がかりで撫でくることを要求してくる。四つの手でわしゃわしゃと撫でられながら僕の掌をべっろべろに舐めまわし、そのまま奥さんの胸の上に這い上がって猛然と毛繕いをする。ぶるる、ぶるる、と喉を鳴らす。不安だよね、でもそれじゃ奥さんが寝られなさそう——

朝は磯部焼き。舞台版『グノーシア』の初日映像を見て、昼はタコス。昼寝して、録音。久しぶりに特に話すことの見当たらないまま始め、かなりゆっくりとした立ち上がり。もうすこし寝かそうかと思っていたけれど、けっきょくBLの話になる。録音後、『同級生』シリーズの話になり、奥さんが記憶の中より爆速でキスしててびっくりした、と述べたあとこう言った。

なんでみんな急に落ちちゃうんだよ。するものだろ。恋しろよ、落ちるな、恋に。

『正反対な君と僕』で山田が好きになりにいってるのかもと言うあれはやっぱりいいよねえ、という話にもなる。ポルノのライブのアーカイブがU-NEXTで見られると言うので風呂上がりに見る。サポートドラムが玉田豊夢だ。

この土日はお盆の反動でほとんどなにもしないでいて、このすかすかっぷりがちょうどいい。

夢中で命を燃やして魂を震わすみたいな瞬間が、毎日なきゃ嫌だというほどありあまっている人もいれば、年に一二日あれば充分すぎるという人もいる。前者としての若者が革命を志し、加齢とともに疲れやすくなり後者へと移行していく様を保守化というのはどうも違う気もする。趣味・思想・生活様式は一貫しているべきで矛盾すべきではないという考えによって引き起こされる後ろめたさが過剰な転向を促しているのかもしれない。かつて地味でしょぼくれることへの恐怖から尖らせたものを、いつしか生活が愛着の対象へと変わっていたからといって鈍らせる必要はなかった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。