2021.10.27(2-p.166)

もう流石に暑さがぶり返すことはないのだろうか。びくびくしながら先週くらいに羽毛布団に替えた。重さがあるほうが僕はやはり好きなようで、ぐっすり眠れている気がする。日中の室内でも半袖はもうだめそうで、好きではない靴下も履かないと指先まで冷えてしまうようになってきた。冷えてきたら冷えてきたでわけもなく切ない気持ちになってしまう。このまま乾燥と寒さが本格化してくると、やはり第六波がくるんだろうか。ここ半月ほどの感染者数の減退を見ていると、いつ終わりということにするんだろうな、とも思うし、このくらいの数値でレインボーブリッジは真っ赤に照らし出されてたんだっけな、とも思う。数値は怖い。あっという間に個別具体的な一を軽んじて、その大小の推移だけでなにかを判断できる気になってしまう。

今日の作業用映画は『回路』と『CURE』。黒沢清作品は初めてだった。窓や壁越しのロングショットや、じわじわと焦点を移していくような長回しが格好良かった。心霊ドキュメンタリーからずいぶんと観るべき作品が広がった。若いと言うかもはや幼ささえ残る小雪や麻生久美子の顔や、加藤晴彦や萩原聖人の空疎さ。どちらものホラーとの親和性が高く、その巧みさは、演技というよりも声や体を素材としてカメラの前に配置していくような撮り方だった。建築物や光などと等価に人体が並べられている感じがあって、それがずいぶんと物質的な幽霊と相性がいい。導線までも緻密に練られているからこそ、絵の中の動きがどれもキメキメでいちいち静物画みたいだった。なるほど、これは好きな人は好きそう。

『Fate/EXTELLA』の続編である『Fate/EXTELLA LINK』を始める。ワダアルコ先生の絵が動く! 口元がぱくぱくするネロちゃまも素敵だねえ。奥さんが退勤してからは『月姫』の、残った分岐の回収を行う。改めてアルクェイドルートに戻ってくると、やっぱりアルクェイドが可愛いね、と二人は改めて思う。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。