『人間関係の構造と手立て』

生活は理屈では回っていない。しかし、理屈は大事である―― 力あるものが強いのだという身も蓋もなさがいやます現代。属性や肩書きという記述可能な「特殊性の束」としての「私」の専制によって、言葉では記述し尽くせない固有の〈私〉…

制作物のまとめ

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目次 はじめに選ばないで済ませたかったそれぞれであること名前をつけてやらないといけない猫を待つ日記(抄録)欠けていない耳、片方だけの目振り回されるという愉悦動物であること猫が来る前の日記の猫(抄録)おわらない お取扱店舗…

青木真兵・柿内正午『二人のデカメロン』

一四世紀半ば、ヨーロッパ中でペストが猛威を振るうさなか、フィレンツェの作家ボッカチオは『デカメロン』を著しました。これは「十日」を意味することばで、感染症対策で外出自粛を強いられた当時の老若男女十人が、十日間にかけて退屈…

『『ベイブ』論、あるいは「父」についての序論』

映画『ベイブ』を丹念に見つめることで、「現代における父性とはどのようなものであるべきか」という大きな問いに挑む。 映画を見るとはどういうことか。映画の表層だけを注視するのでもない。かといってありもしない深さや奥行きに捉わ…

『会社員の哲学 増補版』

2021年に発表し、ご好評いただいた哲学風エッセイが新書サイズになって帰ってくる。 読みやすさを向上させる改訂や、一章ぶんの増補を加え、より親しみやすい一冊になりました。 「会社員」というありふれているようでどうにも特異…

2026.08.14

のろのろ徐行で進む電車でなんとか最寄り駅までは辿り着く。千葉が水没しているというニュースを見て何人かから心配の連絡をもらう。雨はすでに穏やか。タクシー待ちの列は動きそうにないので歩くと、いつもの夜道に何台もの車が乗り捨て…

2026.08.13

日比谷の映画館に向かう道中で構造主義について説明しながら自分について語ろうとしたらうまくいかず気分が塞ぐ。近代的自我を相対化することと解体することの区別がついていないみたいな語り方になってしまい、奥さんにばかだと思われて…

2026.08.12

エアコンからものすごい異臭がして、外では天気雨がどっしゃり降った。家でとことんおしゃべりの日となる。今週からルドンの食事を見直して——五キロ台にのってしまった——夜は猫缶でウェットを与えることにしたのだけれど、ものすごく…

2026.08.11

DDTの両国大会。奥さんはマチネに芝居を見てからはしごなので午後から会場に向かう。道中では『ポスト・サブカル焼け跡派』。政治や社会、歴史とは切断された「キャラクター」として脱歴史化された記号を自在にサンプリングして遊ぶ。…

2026.08.10

珍しく三日連続くらいで家の外の人と遊んだので今日は引きこもり。 家の中で話していると忘れがちだけれど、発言に対してこちらを損ねる意図がないことを自明のこととして、伝達される情報と人格とを切り分けたうえで、前者を是々非々で…

2026.08.09

きのう急にお誘いいただいて友人宅にお邪魔する。会いたい人が来日しているとのことで。到着早々、犬の散歩に奥さんとのこのこついていって、自分たちではない誰かにとって馴染みの道をなぞっていく。この家の犬が大好きだ。とてもいい子…

2026.08.08

柏駅で待ち合わせをして、改札前がすでに暑い。先に来たあべさんとちゃんべさんと三人でベローチェで涼をとる。きのうのイベントの感想をきかせてもらう。鮫君くる。あべさんの案内で古着屋を巡り、服を見るのは楽しい。みなそれぞれ手に…

2026.08.07

イベントの夜はいつも夕食を摂りそびれる。家を出る前はまだ早いし、帰る頃には遅すぎる。鮫君とあべさんの三人で行う連続シリーズ「健康で文化的な生活のために」の第一回。『「ホモソ」を見つめなおす——男子ノリは何を生み、何を殺す…

2026.08.06

南三のInstagramで投稿される賄いレシピに従いつつ、麺ではなくごはんでヨダレ鰻丼をつくる。じゃぶじゃぶ洗ってタレを落とした七五〇円の蒲焼をオーブントースターでリベイクしてどっさり大葉と茗荷がうれしいタレでびしゃびし…

2026.08.05

奥さんとルドンが抱き合うようにして眠っており、愛らしさがすごい。腕の中で眠る猫は前脚をヒトの首に巻きつけてふわふわの体をぴったりと寄り添わせている。幸福とはこれだ、と思うし、寝苦しそうだなとも思う。涼しそうだから買ってあ…