2021.11.15(2-p.166)

朝起きて、お皿洗わなきゃ、と思う。昨晩はちょっと寝てから食器洗うからね、と言いながら布団に直行したのだった。あれ、で、もう朝なの? 歯も磨いてないし、薬も飲んでない。後で聞くと電気もつけたままじつに気持ちよさそうにすやすや眠っていたということで、食器は奥さんが洗ってくれていた。久しぶりに酔っ払ってそのまま寝ちゃうというのをやらかしたな、と思いながらパソコンを立ち上げて出勤。洗濯が溜まっていたので回す。コーヒーを入れるためにお湯を沸かし、奥さんが昨日の残りを上手に駆使して作ってくれた朝食をいただく。日記を書かなきゃ、と思う。きのうは盛りだくさんだったから時間がかかるだろう。顔を洗って、トイレに行って、コーヒーを淹れて、爪を切って、仕事の返信なんかをして、なかなか日記にたどり着けない。頭の中でずっとメモリが日記に圧迫されていて気持ちばかりが焦る。コーヒーを飲む。日記を書き出す。洗濯を干す。日記を書く。仕事のチャットに応える。日記を書き終える。午前中からなんだか非常に忙しい感じがあって、マルチタスク、とぼやく。

今朝は目やにがすごかった。目を開けると視界が霞んでいたほどだ。顔を洗う前に鏡を見ると、年老いた猫のような量の目やにだった。洗うともちろん綺麗に落ちた。十二時間近く寝ていたので、日付感覚や時間感覚がぼんやりしていて、体はずいぶんリフレッシュしている。生まれ変わったようだよ、と呟く。日記を書き終えるまではなんだか追い詰められたような気持ちでいたけれど、書き終えると気分爽快で、さあ一日を始めようと思う。もうほとんど午後だった。

ポイエティークRADIO の『セーラーゾンビ』回を聴いた奥さんは、知らないコンテンツについて熱く語り合ったオタクが最終的に熱い抱擁を交わすようなのってなんかよくわかんないけど感動的だよね、と評してくれた。終盤のRyotaさんの「これは、俺しか、もはや俺しか分かってないな!」という叫びが最高だったということで、わかるわかる、あそこいいよねえと嬉しくなる。

仕事もなんだかんだ頑張ってしまって、大塚英志を読んでいたらピンときてしまってその勢いで「H.A.Bノ冊子」の原稿を一気に書き上げそのままメールで送ってしまう。その勢いの良さに、え、寝かすこともしないんだと驚く奥さんに、今の僕は深夜テンションで書いた手紙をそのまま朝投函できるカフカの境地にある、と嘯く。

朝晩に日記書くの、たいへんだな。もう今日は書いたのに、なんでまた書かなきゃいけないのかよくわからない気持ちになる。今日は原稿も書いたし、書くのってたいへんだな。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。