2022.06.17

湿気がすごい。

コーヒー豆が切れていて、散歩がてら近所をぐるりとまわる。コーヒー屋は定休日だった。他の用事に対して、コーヒー豆の補充だけが大きくコースから外れていたので、骨折り損で二千歩くらい得したということだ。仕方がないのでスーパーでドリップバッグを買っておく。朝食の大判焼きも買い足す。昼食をテイクアウトして、家に帰るころには全身もわもわで、ぐったり。小一時間で四千五百歩くらいだろうか。テイクアウトのとき、大盛り無料ですけどどうです? と言われて断る体力が残っていなくて大盛りになってしまった。サービスは受けるより断る方がたいへんだ。こういうときは断れない。その前にたこ焼きも買っていたから、丼の大盛りは要らなかった。それなのに、断る元気がなくて胃袋を酷使することになる。悲しみの連鎖だ。昼食後はまったく動けず。

『「腹の虫」の研究』に「蘭方医」という語が出てきて、そうか、漢方薬って漢の方の薬なんだな、と面白かった。カンポーと音で馴染んでしまっているから、表意文字として読み解く発想がなかなか出てこない。そういう言葉は多いだろう。とっさには何も思いつかないが。

へその穴を引っ掻いてしまったようで、変な汁が出てくる。これ以上触るのはまずいと思いつつ、ついいじってしまう。子供の頃よくやった、いや、ご覧の通りいまでもやってしまう。

もう搾り出せそうにない歯磨き粉だったが、伊東家でやってた、と言いながら奥さんが披露した裏ワザを使うとまだまだ使える。伊東家はすごい。二〇年経ったいまも暮らしを助けてる。

円盤に乗る場に送る本を選ばなくてはいけない。気がつけば来週だ。どうもぼんやりしているな。横になりたいが、湿気がすごくて眠れそうにない。明日に向けて『挟み撃ち』も読まなければ。なにも追いつかない、とへたり込みたくなる。一個ずつ、やっていくしかない。そう思い、夕方には日記を書き終えておいた。計画性の権化。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。