slack の通知でスズキナオさんの書評エッセイ「読んでは忘れて」に『会社員の哲学』が取り上げられていることを知る。びっくりした。この連載、毎回選書がほんとうに素敵で、なによりこのなかに並べていただいたことが嬉しい。“このままでいくと”という前提のもと敷かれたルールを脱臼させる術をぼんやりと模索し、なんだか怖い“圧”とは別の方を探し出そうときょろきょろし、どんな状況下でも軽やかに“書かれたて”のような新鮮さを保とうとする。スズキナオさんの読みは、そのままご本人の世界に対するスタンスの表明のようだ、そのような読書の道行きの途中にちょこっと合流できたこと、光栄だな、と思う。ふわふわとした気持ちで、これはもしかしたらいい機会かも、と『会社員の哲学』の序文を公開することにしてホームページに文章を移行する。「最初から最後まで引用したいほどに素晴らしい」と書いていただけてすごく嬉しかったから。それから版元や編集者などの伴走者の募集文言もちょこちょこいじって、さらにずっと後回しにしていた『雑談・オブ・ザ・デッド』の宣伝ページまで作った。ホームページの固定記事が混んできたので制作物の紹介は各リンクを配置するページを一個作ってそれを固定表示にすることにする。だいぶすっきりして、Twitter のプロフィールもマイナーチェンジ。Lit.link へ誘導することにした。ホームページにポッドキャストにニュースレター。ZINE もこれまでに六冊出して、うち二冊は合本版になり、一冊は増補版作業中。こうなるとすこし自己紹介が混雑してくる。ずいぶんと色々やっているような、でも、まだまだ物足りないような気分だ。
なにかもっと別のことがしたい。たとえば漫画を描くとか、音楽を作るとか、誰にも期待されていないことをやらかしたい。しかし、喋って、書くというのから始めてしまうと、これ以上に元手も手間もかからないものもないので、ほかの手段はずいぶん億劫だ。しかし面倒だからこそやりたいというものでもあるので、漫画はじわじわと計画しようと思う。
即売会のために先に家を出ていた奥さんと神楽坂で合流。ムレスナティーのお店でわんこ紅茶をさぷさぷ飲んだ。ホットケーキも美味しい。レモンアールグレイがお気に入り。奥さんは楊貴妃の果実、つまりライチだ。二時間制と言われていたがずいぶん居れて、結局一七杯飲ませてもらった。いっぱいの量が控えめとはいえ、お腹はチャッポンチャポンだ。
この一週間、少し出かけると十八時ごろ決まって気絶するように寝てしまう。筋肉の成長期のせいだろうか。急にタンパク質をしっかり摂ろうと食べる量も増やしたからお腹の調子もよくなくてずっと張っている感じがある。でも食べれちゃう。エネルギー切れにすぐなるが、そのぐったりを「食欲がない」のだと誤認するせいでとことんまで干からびてしまう。だいぶ不調なのだが、どうしたんだろうと零すと、や、ふつうに夏バテでしょ、とにべもない。でもまあ、たしかにこれは夏バテなのだろう。疲れが取れないから一日のべ十時間は寝ているし、寝ている間に脱水になるから起きるとげっそりしている。この悪循環を止める術を、まだ僕は知らない。