いつものようにGoogle で「プルーストを読む生活(完全一致 最終更新:24時間以内)」で検索をかけて、「よかったポッドキャスト・ネットラジオ2020」という記事を見つけた。このものすごく立派な番組が並ぶリストの中に、極々個人的でちゃちな試みが入っていることにどひゃーとなるが、そうやって個人的なプロダクトが規模の経済と渡り合えちゃうのがインターネットの面白いところとも思う。嬉しい。最後の「作品と出遭う交通事故性」という言葉が良かった。プラットフォームが整備されすぎてしまうと事故が起きなくなる。それは出来事の不在だ。ドゥルーズも言っているが思考というのは、思わぬ何かと出食わしてしまった時、仕方がなしに始まってしまうものだ。安心な僕らはものを考えたりしない。だからこそ、「作品と出遭う交通事故性」に身を晒すことは、思考停止から自分を救うためのたぶん唯一に近い実践だ。オブ・ザ・イヤーへの選出じゃん、と一日うきうきしていた。
夜はチーズフォンデュ。これで一日はおしまいになってしまうな、と思いながらワインを飲んで、ワインを飲むとおしまいになるのでやっぱりおしまいになった。日記も書かずに眠った。そのくせぺろんぺろんのまま『だえん問答』と『負債論』をちゃんぽんしていたからすぐに寝落ちたというわけでもない。満足するまで読んで、頭いた、と思って、明日はどう生きようねえ、と奥さんに投げかけると、そうねえ起きたらまずは日記を書くでしょ、と言われて、しまった、と思い出したがもう遅かったので寝たというのが本当のところだ。