朝からずっと薄暗い一日。
奥さんが起き出すのを邪魔して布団に引き摺り込んでいたら僕の方が先に起き出してしまって、人から起き上がる気力を奪ったお詫びに朝ごはんを準備する係になった。スクランブルエッグとトースト。
奥さんと静かに『チェンソーマン』を観て、今回のエンディングは『ポプテピピック』みたいだと思ってしまったけれど好みのやつだった。だいぶ溜まっている『ドンブラザーズ』も一気に四話くらい観てようやく夏らしいエピソードに入ったところ、追いつける気がしない。
十四時くらいに遅めのお昼で海老とキャベツのオイルパスタ。えげつないガーリックシュリンプが食べたい、という気分だったので凶悪な量のにんにくを入れた。
ブレスケアを服み、覚悟を決めて今期の『僕のヒーローアカデミア』を観る。分倍河原仁回がつらすぎるだろうから観たくなかったのだけど、その前の上鳴くんで泣いてしまって、結局おもいきり食らってしまう。奥さんは内山昂輝がやっと喋った、と言ったけれど、僕としてはもう喋んないで欲しかった。
動く絵をみるのに疲れてしまってからは、『HUNTER×HUNTER』を読んでいた。昨日むしゃくしゃして全巻大人買いしたのだ。キメラアント編までは読んでいたのだけれど、もうほとんど覚えていなくて、いま頭から読み直すとキルアが可愛くて仕方ない。少年の頃はこういう綺麗な顔で才能のあるキャラクターにやっかみがあり素直に好きになれなかったのだけど、大人になるとこの子の健気さがよくわかる。過酷な環境で育ちながらも、初めて出会った同世代の他人に向かって「友達になりたい」とまっすぐいえるのはすごいことだよ。この子が屈託なく笑える時間が一秒でも長く続けばいい、と思いながら読んでいる。つくづく、少年漫画を読むの向いていない気がする。ゲーム的な思考のやり取りの面白さはやはり圧巻で、読み合いがルールの裏をかくなど論理的な演算に偏よることなく、各々の信念に基づく感情の機微をどう解釈するかまでもが重要な変数となり、大きく事態を左右するというところにこの漫画の凄みがある。今日は15巻の途中まで。おっもしろいなあ。
夢中で読んでいると、奥さんが、つまんない! と不服を表明し、構って欲しいのかと思い本を閉じて見やると、私は! 『HUNTER×HUNTER』より面白くないから! とすねた。総合点では奥さんの勝ちだよ、となだめても、でも面白さでは勝てない、と頑なだ。面白さで『HUNTER×HUNTER』に勝負を挑むのはたしかに分が悪いだろう。誰も勝てないのではないか。