2023.05.22

奥さんは10時までぐっすり。僕は暑くてあまり眠れなかった。コーヒーを飲んで、コンビニにクリックポストの伝票を印刷しに行く。梱包の仕上げをして、郵便局へ。なんとか午前中に出せたので、地域によっては明日には届くだろう。お昼にはどうしてもどん兵衛が食べたかったので近所のスーパーまで出掛けて行ったら帰巣本能だろうか郵便局に着いた。びっくりした。スーパーにはどん兵衛がなくて、別のスーパーまで行って買った。こっちのスーパーの方が家からずっと近くて、なぜはじめからこっちにしなかったのか不思議だ。郵便局に行きたかったとしか思えない。一日に三度も家から出るとは。

入間くんの舞台の幕がいつまで経っても開かない。先週末から始まるはずだったのに、水曜まで中止だそうだ。奥さんとぐちぐちと話す。俳優たちがかわいそうだというか、表に出る人たちの機会を奪うようなミスは、スタッフとしてあまりに致命的である。

うどんを啜りながら文フリのことを思い返す。かつてはここに入魂という感じだったが、新刊を文フリを待たずに本屋に卸すようになってすっかり気持ちが穏やかというか、ここに山場を持ってくるという風ではなくなった。単純に人に会いに行く場所、会いにきてもらう場所として認識している。しかし一万人はすごい。文フリに一万人入るというのは、一つのブースに千も二千も人が来るというのではなく、ほんの数人のためにあるブースがいくつもいくつも積み重ねてできたものであるのだから、大きくなれば即陳腐化するというわけでもない。規模が大きくなるのは自分のブースが賑わうのに直結しないで、むしろ知られないままに帰る人の数が増えていく。これはとてもいいことで、現段階で越えられていないジャンルや界隈の壁を体感することで、次回はもっと知られておきたいと計画したり、適正規模に留めておく判断もできたりする。僕としては、文フリにいうの一万人来るのなら僕のブースに八千人は来てくれるのが適正だと思っている。ハーゲンダッツも食べちゃう。

中川さんからメールをいただき、スタンダードブックストアの現店舗の閉店を知る。呆然としているあいだにホームページでの告知もあった。そちらの文章も読んで、また復活するのだな、と頼もしく思う。はからずも、たいへんな時期にイベントを行うことになってしまった。天王寺のお店の最終日はイベントの翌日だ。

落ち着かなくて、家のなかの本を整理して、四度目の外出。編境の本棚に、『傑作』と『会社員の哲学』を補充し、古本もすこし足した。売りたくないからかなり割高の設定にしているのだけれど、それでもうっかり売れることがある。なんだかんだで詰め込みすぎで、きれいに陳列するのに難儀した。思ったよりも時間をかけてしまった。慌てて帰ってお風呂に入る。カレーライス。

寝るまでゼルダ。ゴロンの町を助けるが、このシリーズのゴロンは可愛げもないただの愚図で好きになれない。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。