不動産屋に行く。午後イチから始めて夜までかかる。引越しというのは途方もないな。みんなすごいと思う。すこしでもマシな将来を思い描くだけでも大変なことなのに、あたうるかぎりの近似値を目指して粘り、検討し、そしてどこかで賭けに出なければならない。これまで億劫で仕方なかったが、じっさいに内見したり歩いたりするとわくわくはしてくるものでよかった。逆にこれまで僕の腰の重さにやきもきしていたであろう奥さんの方はいざ始まると懸念点や悪いところを探すようにして足踏みをするのでちょうどよく引っ張り合っている。どこかで拮抗し、決まるのだろう。気長にやる体力はないのだが、早まらないようにもしたい。とりあえず足がかりの見当はつき始めたのではないか。くたびれた。