2025.01.15

カントの読書ノートはObsidian で試してみる。日記を管理しているNotion で擬似ツェッテルカステンを構築しようとやってみたものの、うまく運用できていないので、ツールを変えてみる。しかし、いまのところ記法を覚えるのもたいへんで、なかなか難しそう。Dynalist くらい直感的に触れないと、用法に馴染む手前で飽きてしまう。メモ同士のリンクの繋げ方が微妙によくわからず、本文中の見出しへとリンクしたいのに新しいノートが延々と作成されてしまう。カントより難しい。世の中にはカントより難解なことが多すぎる。

朝型で生活をすると昼眠い。きょうは余裕があったので、というか集中力が続かなくて捗らなかったので昼寝する。ベッドだと寝すぎるというのでソファで横になる。お腹に猫が乗ってきて、ぽかぽかしてちょうどよく眠気が促進される。いつしか胸の方まで上がってきていて、僕より先にすーすーと寝息を立てている。僕はこの寝息がとても好きだ。気がつけばけっきょくしっかり寝ていた。目が覚めるとまだ猫は丸くなって熟睡中。なかば寝ぼけながら、胸部を圧迫する灰色の温かな毛玉を眺めていると、なんだこのけだものは、なんでこんな毛むくじゃらの生き物が家にいて、一緒に昼寝なんかしているんだ、と不思議に思う。いつの間にか、この猫の暮らしを保護する立場にいる。この可愛らしいけだものの穏やかな寝息を守る義務が自分たちにはあるのだと、途方もないような気分になる。奥さんに対しても、今でもたまに、なんでこの人がここにいるんだろう、と訝しく思うことがある。それだけ、ふだんはその異様さを忘れていられているということだ。この猫も、ほとんど当たり前に生活を共にする存在になってきている。

そんなかれの本日の打鍵はこちら。かわいいね。そのちょっと最近むっちりしてきたお尻、はやくどけてくれる?

夕食を食べながらDiscord で話題になっていたこたけ正義感『弁論』を見る。面白い。構成のあり方もそうだし、争点の洗い出し、解釈の検討、説得的な話芸など、僕は学部生とはいえそれなりにまじめに法学徒だったのかもしれないな、というか、思考の筋道に親和性を感じてそれも興味深かった。喧嘩のレクチャーの部分を見て、僕たちはほとんどプロ夫婦みたいなものかもしれないな、と思う。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。