2021.03.24(2-p.53)

今日から始まるFGO のイベントは仕組みがなんだかダルそうであんまりやる気がしなかったのだが、イベントにあやかっての召喚一覧に白ネロちゃまの姿があってから俄然やる気満々だった。始まってみると思いのほかシナリオはネロちゃまに彩られていて、僕がこのゲームを始めてからネロちゃまがメインに据えられたイベントは初だった。ニコニコした。差分というらしいが、表情の、にっこりするのと、誇らしそうにするのと、たぶんふたつ笑顔のバリエーションが増えていて、かわいい! と感激する。笑顔が増えるなんて、とっても素敵じゃないですか? ああ、よくオタクの人たち──というのもあまりに雑すぎるが──が昂る様子のとき急に読み手に同意を求めるしぐさがあるが、いまようやくそれがよくわかる。昂ると同意を求めたくなる。奥さんにも同意を求めると奥さんはそもそも差分に気がつかなかったらしく、なにをバカな、と思う。試しにTwitter で「ネロちゃま 差分」で検索するとみんな嬉しがっていたからやっぱり僕の妄想じゃなかった。推しの微妙な差異を愛でる。この動物化するポストモダンって感じ。

今日は軽めの本が読みたくて『アマゾン漢方』。表紙とタイトルのインパクトが最高。96年の本で、図版が豪華。カラーページもふんだんで、内容はだいぶ際どいと言うか、かなり怪しいのだけどその怪しさがいい。著者が怪しい草をなんでも平気で口にしちゃうのが楽しい。ふつうに吐くのもいい。淡々と酷い目に遭い、それを書き残していく温度感と、しれっと科学的根拠ゼロの薬草の効能を「精霊が言ってたって呪術師が言ってた」みたいなノリで列挙していくのが面白い。癌とかエイズがすごく簡単に治りそうだし、似非科学はどうしてトレンドに乗ろうとするのか。大体みんな癌に効くが、癌と同じくらい頻出するところに96年当時のエイズの存在感を思ったりする。

なんだか最近毎日のようにお金を使ってしまう。春になりかけのこの時期はいつもしんどかったり辛かったり寂しかったりするのだけれど、今年はとにかく散財するようだった。おかげで身の回りにお気に入りのモノが増えて楽しいし、ネロちゃまのために石を買う余裕がなくなったので助かっている。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。