朝起きたら腕の中でルドンがすやすや眠っており、愛おしさのあまり抱きすくめて二度寝。
『カントの道徳的人間学 性格と社交の倫理学』を読み終える。カントの仕事を形而上学と人間学とに分け、後者を不完全な人間による、常に途上であるほかない性格の涵養の学として位置づける試み。カントにとって性格を持つとは何か。それは、その人独自の思考様式による諸格率の統御ができることである。つまりカントにとって性格があるとは、自分で考えることができるということであるのだが、これは誰にも頼らず自分ひとりで考えるということを意味しない。ひとりで考えることに固執するのは、自身の有限性に盲目な論理的エゴイズムである。だからこそ、社交を通じて、自身の考えを修正していく複数主義が重要になる。社交を通じて性格を陶冶するためには素直さが欠かせないが、素直になるためには他人への信頼が必要だ。信頼に欠かせないのは、愛と尊敬であるという。カントのいう愛と尊敬は感情ではなく、あくまで理性に基づくものであることには注意が必要だが、ともかく愛とは引力、尊敬とは斥力のことで、両者は一見共存できない。愛という徳は親切、感謝、同情という積極的な行為で証立てられるものである一方、尊敬とは社交の場での会話を口外をしないことだったり悪口を言わないことだったり、悪徳をなさないという消極性によって証明される。カントが社交における信頼のために重視したのは、尊敬のほうである。つまり、そこにいる人が悪徳をなさないと信頼してみる。信頼とは、賭けのようなものである。そのようにして素直に人と社交し、性格をつくりあげていくのである。
『ドロヘドロ』の影響で夕食は餃子。ウー・ウェンレシピで皮から作る。皮をのばしているあいだ、ルドンがしきりに鳴いて、とうとうキッチンと隔てているドアをがしがし叩き始めたので驚いた。タネはぜんぶみじん切りマシーンで横着してしまったが、具材の大きさが不揃いなのはけっこう大事だった。ハリマオラストマッチからの樋口和貞引退セレモニーをようやく見る。泣く。
