2026.05.03

高円寺までは二時間かかる。三十分くらい遅刻して高架下の焼き鳥屋の軒先に席をとっているミイ子さんと鮫くんと合流。明るいうちから屋外で瓶ビール。乾杯後さっそく艶っぽい話がはじまり、ふたつみっつ隣の馬肉屋さんで恋の話。この日の話題は総じて色っぽかった。こうやって屈託なく平熱で性愛の話ができるのっていいなと思う。

酔い覚ましに日暮れた高円寺を歩き、商店街ごとに色が違って楽しい。ミイ子さんがかつて泣きながら歩いた道を辿って、住んでいた家を見に行く。それからいい感じの三軒目にはいり、島らっきょうや茗荷と水茄子の漬け物を肴に日本酒を飲む。

奥さんが聴いている「まかないラジオ」で激賞されていた豚骨蒼翔に行ってみたいというと東高円寺のほうとのことでタクシーに相乗りして付き合ってもらうが、もう店じまいしていて残念。ふたりに駅まで見送ってもらってほろほろ帰る。二時間の帰路で酔いも落ち着いたかと思ってお風呂に浸かったら体がかっかっとしてしまってしまったことだった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。