昨日の日記はまちがっている。大石昌良はアプリと舞台の共通の主題歌を作っていて舞台版の劇伴の大半はYu(vague)という方の作であり、Yu さんは脚本の亀田さんと『サンリオ男子』などでも一緒に仕事をしているのだ、そう奥さんが教えてくれた。日記って間違えたことがそのまま残るからこわいし、間違えてもいいから面白い。ちなみに大石昌良の作は一曲だけで、僕が大石昌良だと思っていたほとんどの曲はYu(vague) だというから、もはや僕にとって大石昌良はYu(vague)なのではないか。
二〇代最後の休日。だからというわけでもないが出かける気になって、初台に本でも読みにいこうと思う。タイムラインに『ブリーディング・エッジ』の書影が流れ込んできて、先日の友田さんとのおしゃべり以来、ピンチョンかあと思っており、書影が好みだったので、ピンチョンだな、と思われた。そこで急遽、神保町に向かった。東京堂書店にはあると信じ切っていたのだが、目当ての本だけなくて、慌てた。東京堂書店は長いあいだ『プルーストを読む生活』をレジ前のあの島に置いてくれていたという恩義があった。なるべくここで買いたかった。しかしない。もちろんほかのあの深い紺色の背表紙は揃っていて、ちょうど買おうと思ったものだけがなかったから、先客がいたらしい。『プルーストを読む生活』を置いてくれていない三省堂に行くしかない。しょげつつも移動し、検索機で「ぷるーすとをよむせいかつ」と入れると三省堂もフランス文学の棚に置いてくれていることがわかった。じゃあセーフか、とよくわからない理屈で三省堂で『重力の虹』を買った。新宿線で初台に向かう。
きょうも白湯がちょうどいい。レモンスカッシュと鶏ハムのサンドイッチを待ちながら、『コンヴァージェンス・カルチャー』の序文を、それらを飲み食いしながら『うつの医療人類学』の五章を読み、その後、いざ、と一筋の叫びが空を裂いて飛んでくる。バナーナ朝食会の描写の楽しさにうきうきして、すでに楽しい。暗くなるまでピンチョン。コーヒーとチーズケーキをお願いして『うつの医療人類学』。帰りの電車と帰宅してからの布団で読み終え。いい本だった。