2021.06.23(2-p.53)

最近の自分の面白くなさについて考える。へんに謙虚っぽい感じがいけないのではないか。というか謙虚になるには実態があまりにポーズと乖離していないと言うか、謙遜するまでもなくしょぼいのだから、へりくだってないでむしろセルフボースティングに励むべきなのかもしれない。

やっぱ新しいもの作り続けてないとダメっすよね。

近所のコーヒースタンドで店主は言った。それだ。ぐだぐだ言ってないで手を動かすべきだろう。そう思い長らく放置している原稿をとにかく進めてみたりする。見失っていたとっかかりがいつの間にか見つかっていたようで案外書ける。夏までにはいったん書き終えたい。

Slack でInstagram のリンクが送られてきて辿ると贔屓にしているお店の贔屓にしているスタッフが今週いっぱいで辞めるのだという。迷いなく早々と退勤し、お店で奥さんと落ち合う。そういえば今は非常事態ではないらしいので久しぶりに店内でお酒も飲める。いつものように気持ちのいい接客。おいしいご飯。久しぶりのお酒で二人とも二杯で酔っ払う。コンビニでアイスを買うも、勢いでカラオケに入ることになってピスタチオアイスを慌てて平らげる。ふらっと入って二時間。あ、やばい、喉で歌ってる、と思っても歌い方も、そもそも普段何を歌っていたのかも思い出せないままとにかく大きな声を出し続ける。ふたりでフランシュシュの曲とA3! の舞台の劇中歌をたくさん歌う。一曲目に入れた徒花ネクロマンシーのキーが高くて、最後にキーを下げてリベンジした。さっぱり歌えた気がしないし、声もガラガラだけれど、おいしいものを飲み食いして、大きな声で歌えるというのはこんなにすっきりするものだったか。こういう何でもない気晴らしが封じられる事態は、大袈裟でなく命に関わる。改めてそんなことを思いながら、二人でさっぱりした顔で家に帰る。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。