お昼休みを長めに取って、税務署に。入場待ちのばあさんが、あんた階段にいちゃ危ないわよこっち来て座ってなさいな、どうせ最後尾なんだし構いやしないよ、と後から来たばあさんに声をかけて、周りの若者たちも静かに席を譲った。これでもずいぶんよくなったわよねえ、前までは平気でいくらでも部屋に入れちゃってさ、三時間も四時間も待たされんだから、ただでさえヨボヨボなのにもっとヨボヨボになっちゃうよ、と話していて、そうか、と初めてくる僕は思う。マイナンバーカードの時もそうだったけれど、役所仕事というのは一時間はみておくものというか、都合のいい読書チャンスだと思っている節があって、本を開く隙もないほどスムースで毎回戸惑う。もっと待たされたい、とまでは思わないけれど。入場待ちの列と関係なしに予約の整理番号順の呼び出しで、最後の方に入場して椅子に座るまもなく呼ばれる。大学生のアルバイトだろうか、ずいぶん若い人に親切に色々教えてもらって、ぶじ確定申告を終える。なんで国家というものの意義すら疑ってるというか、この数年は弊害ばかり感じているおれが、わざわざ税金払うために手間隙かけねばならんのだ、と思っていたけれど、むしろ医療費控除とかでいくらか返ってくるようで、それならまあしょうがないか、と思うのだから現金だ。国家からの不当な過剰徴取への抵抗というか自衛のための申告。
それで一仕事終えてご機嫌で、奥さんと合流してランチ。寿司と天ぷらそばのセットを食べる。大人のお子様ランチみたいな組み合わせだ。和菓子屋で草餅と桜餅まで買ってほとんど休日みたいだ。空と雲の様子が『トイ・ストーリー』みたいだった。
帰宅して労働。作業のお供に白石晃士監督の『カルト』を見て、小学生が考えた最強キャラみたいな霊能者に大はしゃぎする。あとでお気に入りの登場シーンを奥さんに見せると、三浦涼介じゃん、こんなにすっぴんな三浦涼介はじめてみたかも、ということで、ちょっと観たくなっちゃった、と言っていた。ぜひ観るといいですよ、とおすすめしておいた。
週末にかけて富士急のような気圧らしく、同居人と奥さんは上昇に同調して殺気立っていた。なんかむしゃくしゃしてしかたがねえ、と奥さんがいうので、お風呂上がりに『孤狼の血』を観ることを提案した。ヤクザ映画でしか摂取できない栄養が、たぶん必要なので。
