昨晩は夕食のあとむにゃむにゃと寝転がってそのまま寝てしまったから、合計で十時間は寝たのではないか。快晴。ひりつくような陽射し。行きの電車で『テスカトリポカ』を読み終える。血煙のなかに蜃気楼のように浮かぶ水上都市の盛衰。突き抜けた暴力描写は冗談のようで、安心しきった客はその凄惨な間抜けさに笑えさえする。好きなタイプの犯罪映画と同じ感触があった。それから『『百年の孤独』を代わりに読む』を本格的に読み進めはじめ、はっと「『それでも家を買いました』を代わりに見る」を始めてみてはどうかと思い立った。昼休みに『それでも家を買いました』の一話を見て、これはいけそうだと思い、ざっと序文を書いてみる。そのままホームページに公開し、ニュースレターでも配信した。完走できる目算はないが、いい気晴らしになりそうだった。引越しの最中に始めることではないような気もするし、いましかないという気もする。
テレビドラマ『それでも家を買いました』が放送されたのは一九九一年四月十九日から六月二十八日までの毎週金曜日。前年に出版された同名ノンフィクションを原作としているのだという。このドラマの放送中に奥さんが生まれ、僕も誕生していることになり、当然見ていない。作中の設定もそうだし、じっさいの田中美佐子と三上博史も、両親とおおむね同世代であろう。特に田中美佐子の喋り方は、微かにではあるが母のそれとどこか似ている。子供がいないころの両親の様子というものを幻視してしまうところもありつつ、とにかくこの二人はすごく可愛いなと思いながら見ている。コンドームを買いに行くまでの一連のシーンがとてもよくて、食事時に奥さんと一緒に見返す。めっちゃかわいい。
ちょっとだけプロレスを見る。お風呂に入って、あっという間に夜が更けている。納得がいかない。誤変換で世が老けていると出た。そっちのほうがわかる。