2021.06.03(2-p.53)

午前中に脱毛や亀洗いや米を買うなどのタスクをDONE にし、日中はピンチョン、プルーストを往復。両者の合間に保坂和志をちょこちょこ挟む。何読めばいいんだっけ、というときには保坂和志の文章がいつだって効く。さっそくあちこちに読みたい本が発生し、つまみ食い的にアウグスティヌスの本に手を出しかけたり、すでになんだか収拾がつかない。

寝起きすぐからずっと多動だったため、昼食を作る時ドッタンバッタン大騒ぎで、僕は料理はかなり「攻撃」だと感じているようで、すぐに殺気立つ。いざ食卓についた時、それやめて、と奥さんに言われるまで自分が側から見るとイライラしているというか、じっさいどこか苛立っていることを自覚的に制御できない。僕は料理それ自体というよりも料理のたびに顕になる自分の凶暴さが嫌で料理があまりしたくない。

外ではスパークリングワインを好んで飲むしじっさい今も飲みたい気分なのに家にいるとなんだかんだ飲まないのなんなんだろうねと話していて、買ってくるのが安物なのではとミスリーディングがあったが、いやグラスだな、と答えに辿り着いた。家ではコップに入れて飲んでいたが、どう考えてもこれが悪い。気分とかの問題じゃなく、おそらく一息に口に入る量とか、炭酸の抜けるスピードとか、中身がぬくまってしまう速さとか、色々と考えられた。そこでシャンパングラスを買うことにして、駅前でペアで1500円しないやつをさっそく見繕う。ついでにジャスミン茶も買う。奥さんはそら豆とゴルゴンゾーラチーズのポテサラ、ほうれん草とえびのミルクスープをこさえて、僕は豚バラブロックを豪快にトマト煮にした。たくさんのポテサラをメインの炭水化物として、気分を出すために手頃で若い感じの洋風居酒屋でかかってそうな音楽をかけて、これで隣の席にイケてない会話をするカップルがいたりするともうすっかり外食と遜色ないのにね、と満足する。スパークリングワインはちゃんと美味しく飲めて、やはりグラスだったのだ。そしてそうなると僕らが外食に求めるのは騒がしさや、隣のカップルの会話のいたたまれなさだけということになってしまうかもしれない。あとは往復の移動。僕らは店内ではそこまで喋らないが、帰り道に歩きながら隣の席の会話を再現して嘲笑するのが楽しみなのだ。書いていて思うが、趣味も性格も最悪じゃないか。そういうところがかわいい。今日は二人しかいなかったからイケてなさとはなにかを考えることにして、それは同族嫌悪であることもあるが、過去に乗り越えた自分の嫌いなところだったり、そもそも最初から嫌いな感じの人だったりを想起させるということではないかということになった。

食後は消化に悪そうなことをしようとSteam のセールで貰ってしまった「LITTLE NIGHTMARES」を遊ぶ。三日位のろのろと進めてここにきて、洒落にならないくらい怖くなってきた。隠し扉っぽいのをどう開けたらいいのか、部屋中をくまなく点検して仕掛けらしいものを探した挙句、普通に押せば開いてケラケラ笑っていた頃はよかった。あるシーンでは二人してウワーッと叫んでしまったが、実は奥さんは怖いとヒッと息を呑み声が出なくなるタイプらしく、隣で僕が大きな声を出すからそれで二度怖く、一度目は天災のようなものかもだけど二度目は人災、とそこから冷たくなった。僕が横であ、そこはダメだよ! 早く逃げて! と騒いでいると、わかってるから! と真剣に怒られた。そろそろ夢に出てきそう。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員。プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。