退勤後、時間に余裕があったので、すこし飲んじゃう。酔っ払わないように気をつけながら、瓶ビールを一本と、柿のお酒。ちょうどいい時間にべつのお客さんが入ってきたので出る。
上野に移動して、今回はレンタルスペースを借りていた。猥雑な高架下をしばらく歩いたところにある雑居ビルの一室。部屋自体は清潔でよかった。ペットボトルの水を飲みながら、改めてきょう話したいことや固有名詞をメモしていると稲垣さんがいらして、一時間以上たのしくおしゃべり。書くとは演技である、共同で制作すること、賃労働者でありながらいろいろやってみること──
先日のカハタレの公演を観て、劇作家としても俳優としても興味津々だったのであれこれと尋ねつつ、作品の感想をしゃあしゃあと語ってしまう。終盤で最近の日記は夜にかけずに翌日書いてしまう、ゼルダのせいだ、というような話になって、プルアパッドで日記が書けたらいいのに、と零していて、うわ、と思う。自分が言ったのだが。そしてそれはすこし楽しそうではあるのだが。ゼルダ、面白すぎて、コントローラの奪い合いで奥さんとのあいだに緊張感がはしることがあるのだが、いっそめいめい冒険をして、交換日記のように日報を書き残しておけたら楽しいんじゃないか。実家にあった、「ぼうけんのしょ」と描かれた大学ノートを思い出す。両親はノートを介してふたりでドラクエを遊んだのだろうか。それとも「ふっかつのじゅもん」の控えだったろうか。あまり覚えていないけれど、いい話だと思う。
一杯くらい飲みたい気持ちもあったけれど、明日は文フリだし、と自制して解散。友田とんさんの影響で駅の漏水対策に注目してしまう。上野駅はシンプルの極地。
ポッドキャストの配信準備や、あすのお品書きを作っていると日付が変わる。夜食のおつかいをお願いすると、スーパーからごきげんな酔っ払いが電話をかけてくる。どん兵衛のすごいのを買ってきてくれるらしい。ついでにお品書きの印刷もお願いする。ドライブに入れて、星つけといて、と酔っ払いは言う。僕は共同のアカウントのGoogleドライブにPDFデータを格納し、星をつける。帰りを待ちながら、iPadの「即売レジ」というアプリに販売するもろもろの価格や在庫データを入力していく。なんとなく余裕な気持ちでいるが、なぜだかギリギリまで作業している。不思議なこともあるものだ。
