真夜中、あまりの寝苦しさに目が醒める。熱中症気味で慌てて水を飲み、くらくらするので水風呂に入った。戻ってくると隣で奥さんがぐむうと寝息を立てていたのがピタリと止むので起こしてしまったかと思ったのだが、翌朝聞くと、私的にはぐっすりだった、とのこと。そろそろ例年よりも遅れての梅雨入りらしい。
まったく寝た気がしない早朝、段ボールと梱包材が届く。業務の合間にすでに本棚から溢れている分の本を詰めて箱ごと押し入れに隠しておく。粗大ゴミで出すつもりのカラーボックスの本や円盤もさっさと箱詰めして解体する。まだ引越しまで三週間あるから、あまり張り切りすぎると仮暮らし感ムンムンのなか過ごす羽目になる。僕も奥さんもタスクは前倒しでやっつけたがるから、気をつけないといけない。まずは片付けの必要のあるところから進めていく。夕方までしっかり働いて、どうにもならず昼寝。いつのまにか左の中指を切っていて、鈍い痛みがいつまでも引かない。
きのう作り置きした鶏肉と玉ねぎの南蛮漬けがうまくできたので、残りの鶏肉も揚げ焼きにして漬けてしまう。玉ねぎも追加しようとスライサーをごしごしやっていたら右の親指をざっくりやった。爪も八ミリくらいぱっくりいって、とびきり痛い。これから手を酷使するというのに、幸先の悪いことだった。泣きそうなくらい痛いのだが、あまり意識するとほんとうに泣いてしまうので、ふーん、みたいな顔で通したが、奥さんはヒョエエ、と悲鳴をあげる。人の痛そうなののほうが痛そうというのはそうだろう。
Notion の引越し管理のテンプレートを探して、自分たちが使いよいように調整していく。三週間というのは漫然とイメージすれば長いが、タスクを割り振っていくと短いと感じる。指を痛めていると打鍵や、シャーペンで手帳に書き込むのや、アイスをスプーンで掬うのにも苦労があってたいへんだ。気晴らしに奥さんと『XI [sái]』の対戦モードで遊ぶ。明らかにてきとうに動き回っているのに、考えているうちにボコボコにされたのでげらげら笑う。乱戦モードはふたりともヘボでコンピュータにいいようにされる。あいつら無礼すぎる。パズルモードはセーブデータが残っていて、進んでいるところから二人で頭を悩ませながらいくつかクリアする。けっこう楽しくて、ちょうどよかった。プレステ2は捨てないでおこう。