午前中に引越し業者が段ボールや梱包資材を回収してくれる。これでずいぶんすっきりする。その勢いで通販で届いたまま積んでいたロールカーテンの取り付けを行い、さらにはまだどうするか決めあぐねている窓についても検討し、午後にはカーテンを見に町に出かけさえする。夕方まであれこれと悩む。カーテン、どうせ可愛くないのに高価でさっぱりテンションが上がらない。
奥さんは刀剣乱舞のライブビューイングを見にららぽーとに行くので電車とバスを乗り継いでわざわざついていく。ショッピングモールが好きだから。映画館まで見送ったあと、ラーメンを食べて、服を買って、通路を行き交う人たちの服を眺める。みんなバンドTシャツみたいなのを着ていて、流行っているんだなと思う。聴いたこともないバンドのTシャツを着ていいのかみたいな話題が定期的に盛り上がるようだけれど、じっさい服屋を覗いてみるとたくさんのバンド、そして映画のTシャツが溢れている。こんなにブームなのかと驚いた。存在しないバンドの偽物ツアーTシャツなんかもあるらしい。かれらが着ているのもそういう類だろうかと検索してみるとLDH のなにかだった。このへんにはライブ会場もあるようだから、そのお客さんなのかもしれない。であるならば、ファッションとしてバンドTシャツが流行っているというのは錯覚で、立地上このへんにはファンが屯しやすいというだけかもしれない。なーんだ。脱衣所に置く籠を買って、広く薄い品揃えのなんでもない本屋に入ると友田とんさんの文庫が面陳されていて、おお、と思う。売れているんだな。嬉しいことだ。お祝いに、おなじハヤカワNF文庫の『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を買うことにする。堀江敏幸訳の『土佐日記』が欲しかったので河出のコーナーに行くと、古川日出男訳の『平家物語』が文庫で四巻であって、松本大洋の装画が良かった。今月の『群像』掲載の作がよかったから、読んでみたくなり、しかし四冊分冊か、途切れなく読みたいなと思い単行本版を調べると池澤夏樹全集版が一冊でほとんど値段が変わらない。ならそっちだなと棚を変えるとあったのでそっちを抜き出す。その勢いで古川日出男は読んでこなかったから読もうと文春文庫の『ベルカ、吠えないのか?』も一緒にレジへ。すっかり大荷物になってしまった。
駅前の適当な飲み屋に入るとまもなく奥さんが合流。軽くいっぱいのつもりが酔っ払って、しょぼしょぼしながら電車に乗って、コンビニでソフトクリームを買ってにこにこ食べながら帰った。歩く距離が長いから酔いも覚めてきて、お風呂でさっぱりしてから日記を書く。そういや昨日のを書きそびれていた。まとめて簡単に済ませる。