ルドンがキッチンへの侵入防止の柵を軽々飛び越すようになってしまった。この数ヶ月は太り気味だったから、体が軽やかになるのは喜ばしい。体重は変わらないようなのだが、明らかに引き締まってきており、ヘビー級のすぐ寝技に持ち込むような感じから、ジュニアのコーナートップやロープにひらりと跳躍するようなしなやかさに変わってきている。助走もなしにその場飛びで柵を越えてしまうので、つい見惚れる。それはそれとしてキッチンのほうに来てはだめ。抱き上げると、キャッやめてッとばかりに短く鳴くのだが、だめってわかって来ているよね、そりゃ嫌いな抱っこもされますよ、と諭しながら向こう側へ放つ。体が軽くなりうずうずするのか凶暴で、すぐに人に掴みかかってきて甘噛みしたり、舐め回してくる。そこで普段よりもたっぷりめに猫じゃらしで遊ぶと、尻尾をぶわっと膨らませて大暴れ。二〇分ほどでだいぶ満足したようで、うとうとしだした。
労働の合間には『マンボ・ジャンボ』。スクエアな一神教的価値観をひらりと躱し、ブルースに感染して踊り明かせ。ひさしぶりに奥さんと二人でスーパーで買い物。ふたりでスーパーに行くと、いまだに同棲ってこんな感じかな、というようなくすぐったさを覚えることがある。今回は明らかに『着せ恋』の影響である。冷凍庫を買い足したので、箱のアイスが買える。うれしいねえ、まさか箱のアイスが買える日が来るなんて、というと、奥さんが応える。そうだねえ、十年と三万円、それでとうとうここまで来たね。数年来不作だったさんまが太っていて、買って帰ってフライパンで焼くだけで非常な美味。うれしい。お風呂に高価な入浴剤をつかったら、うきうきした気分が取り戻されて、いよいよもう快復したといえるかもしれない。
