早起きして二人で家を出る。途中まで電車が一緒で、かたや旅行、かたや出勤。ふたりでいるとイヤホンも本もなしで電車に乗るので、こんなにしんどかったっけかと驚く。どうせ混み合っていておしゃべりできないので、途中から耳を塞ぐ。先に降りるのは僕で、いってらっしゃいと小さく手を振る。昨晩は土砂降りで、朝もやや降りそうな雲行きだったけれど、午後になって送られてきた海の写真は真っ青で快晴のようだった。よかったね。よかったねと素直にひとの幸運を喜べるというのは健康の指標になっている気がする。なるべくずっとよかったねと思っていたい。
退勤後、新宿で途中下車して紀伊国屋書店に予約していた『限界OL霧切ギリ子』の二巻を受け取るが、店頭では選書フェアもなされていて特典ペーパーもついているのに予約受け取りだとつけてもらえない悲しみ。選書コーナーを眺めるために八階のコミックコーナーまで上がって、だんだんと降りて見ていく。さいきんDuolingoではだめそうと思い始めているので七階だか六階の語学コーナーで『しっかり学ぶ初級ラテン語 文法と練習問題』を籠に放り込み、五階で大谷本の種本である『ゴダール マネ フーコー』。ここまでは決めていた。それで三階が問題だ。『良き統治 大統領制化する民主主義』と『民主主義を装う権威主義 世界化する選挙独裁とその論理』を立ち読みし、迷いながらもけっきょくは買うことに決め、この二冊でものすごく金額が跳ね上がるので笑えない。まっすぐ帰るのはさみしいので、高田馬場までぶらぶら歩いてHANAIで一杯。スタッフの方にいつまでもよくわからないままでいる現象学について簡単にレクチャーしてもらう。与太話としてカントとフッサールの比較を試してみたり、入門書のおすすめを教えてもらったり、楽しかった。
帰宅するとルドンがはしゃいでいるので一緒に遊ぶが、寝る頃になってもおさまらず枕元でずっとどったんばったんしていた。もう寝ようよ、と抱き上げて布団にお招きすると、意外にも大人しくしたがって腕枕ですやすや眠る。
