2022.12.12

きょうという一日は、ドブに捨てたようなものだった。

なにもやる気がせず、ヒロアカの単行本が待てずにとうとう購読を始めたジャンプの、読んでなかった作品が三ヶ月分くらい溜まっているのをぜんぶ読んだりしてた。一話だけ読んでもちんぷんかんぷんで面白くなかったものも、単行本一、二冊分になるとまとまりができて楽しめるようになるものだった。もともと本誌で読んでいたのがもとから目当てだったヒロアカと『HUNTER×HUNTER』に加え、一話だけで面白さが伝わってくる『あかね噺』と『ウィッチウォッチ』くらいだった。あとはぜんぶ何が起こってるかもよくわかんなかったからスルーしてた。『あかね噺』は毎話独立していても面白くすごいと思う。『ウィッチウォッチ』は篠原健太先生だ! と高校生のころの僕が大喜びしている。この二週のクオリティがたいへん高くて、奥さんと一緒に読んでケラケラ笑った。初見でもなんとなくキャラの設定がわかるし、わかんなくても一話がひとつのコントみたいに完結しているから問題ないのがいい。

あらためて塊で読んでみて面白かったのは『アオのハコ』、『逃げ上手の若君』、『PPPPPP』、『アンデッドアンラック』あたり。『ONE PIECE』は、これはもはや画面の内外が高密度すぎて一週分の量ではなんもわからん。そもそもどう読んでいいかすらわからん。少年漫画のリテラシーは独特で、読むのにも修行が必要だ。打ち切られた漫画も、打ち切られ方がさまざまで面白い。きちんと収めるもの、放り出すもの。

物語というのは、途中から始めてもいいし、途中で終わってもいい。書き出しやアバンタイトルの格好よさだけしかないものも好きだし、ラストだけが最高なものもある。けれども一番多いのは、途中がとてもわくわくするものだ。途中にわくわくすればするほど、終わらないで欲しいと思う。終わり方なんてどうでもよくなる。研磨も言ってる。ゲームオーバーよりゲームクリアの方が悲しいって。

作品は始まりがあって終わりがあるから完成するのだという通念を、週刊連載の長大さ、不確定なプロセスは揺さぶってくる。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。