2024.03.02

そろそろいつも通りと言っていいだろうか、八時起床。肉じゃが、ベーコンとレタスのサラダ、アボカドのフライ、味噌汁。豪華な朝食。電車でも車でもそう時間は変わらないということで、母が車で会場まで送ってくれる。中央高速小牧東を過ぎて、岐阜方面へ順調に走る。木曽川を渡ったあたりで高速道路から観覧車が見える。サービスエリアのようだが水族館まであるらしい。オアシスと名乗っていた。たしかにその名にふさわしい。車は大きくて楽ちんなリュックみたいだ。荷物が多い時、これはずいぶん助かる。

岐阜駅西駐車場は四階まで満車で、みんな本の市に行くのだろうかと俄かに緊張しだす。五階に停めてもらって、ペデストリアンデッキから直通で会場のアクティブGまで行ける。母はこれから多治見のモザイクタイルミュージアムに行くらしい。別れてすでに到着している面髙さん、岸波さん、友田さんにご挨拶。てきぱきと設営。受付をすっぽかしていたので慌てて済ます。黒田さんの顔を見てなんだか嬉しくなる。いい一日になるといいなあ。周囲には飲食店や服飾店のテナントが並び、カルチャーセンターまである。本を見るだけの場所ではなく、日常のお買い物の空間に催事として出るというのは新鮮だ。すでに人通りも活発で、開始時間の十一時を待たずにぬるっと始まる。お隣の友田さんと岸波さんと面髙さんのところには続々と人だかりができる。流石だな、と思いつつ、自分のところは最初の三十分はほとんど動かずすこし焦る。もしかして、このまま売れないで過ごすことになるのだろうか。母が施設内のどこからか差し入れでどらやきを買ってきてくれる。ありがたい。近所のブースの皆さんと、黒田さんたちに配ってまわる。とっても好評。どら焼き! まさに今いちばんもらうと嬉しいものだー! と杏子さんはにこにこしてくれて、母、大活躍、と思い改めてお礼のLINE を送ると多治見からあの象を飲み込んだウワバミみたいな建物の写真が送られてくる。初速こそ鈍かったが、一日中かけて回遊される方が多く、あ、戻ってきてくれた、という人たちが買っていってくれるので嬉しかった。ほかの即売会よりも親身におしゃべりしてくださる印象を持った。それでも、ここまで長居したからには手ぶらで去りづらいな、みたいな雰囲気もなく、買わない人はさらっと去っていく。総じていい雰囲気だった。学生さんもちらほらいて、就職を控えた人たちに『会社員の哲学』を手渡したくて急遽学割をでっちあげて値引き販売する。往復の交通費はまかなえるくらい売れたので、終始としては初日でずいぶん満足だ。明日は気楽に楽しめそう。あれこれ楽しくお喋りしながら過ごして、クローズになると再びてきぱき撤収。ON READING のブースで明日着る長袖を買い、階下の古本市もひやかす。カサーレスを買う。

関東からの遠征組で連れ立って駅前の飲み屋街へ繰り出す。外はきりっとした寒さ。十八時前でまだ明るいのでうれしくなる。右手に見える夕焼けがきれいだった。てきとうな飲み屋でビールを飲んで、あれこれ話しながら楽しく過ごす。今日は売り上げもよかったし、お客さんとのお話も楽しかったし、打ち上げもにこにこだし、いい一日だったなあと思う。会計時の安さに驚いた。帰りは電車で名古屋まで。本当にすぐに着いちゃう。実家に帰って、お茶を飲みつつ苺を食べる。明日に備えて早く寝なくちゃ。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。