最後の方で柿内さんがTBSラジオにまた出演したい旨を迂遠な方法で伝えようとしていて笑ってしまった
Bluesky で工藤郁子さんがポイエティークRADIOの感想を書いてくれている。迂遠。コトバンクによれば「1 まわりくどいさま。また、そのため、実際の用に向かないさま。」とある。わざわざ遠回りして、その結果として実用性を損ねるというのは、僕の書いたり喋ったりするありようそのものかもしれない。タトゥーを入れることがあったら「迂遠」がいいかもしれない。そう思ってそう投稿すると、「でかでか達筆グラフィティで「迂遠」と刺繍されているキャップをかぶってにこにこする柿内さんが思い浮かびました」とのことで、それはかなりいいかもしれない。オリジナルキャップの見積もりをいくつか出してみる。しかし、達筆グラフィティがなかなか難しい。刺繍に映えそうな楷書フォントの無料版で「迂」があるものがまず少ない。
在宅労働をしていて、夕方から奥さんはお出かけ。そのまま実家に一泊してくる予定なので、僕も飲んだくれたかった。街まで繰り出すかどうしようか迷っていると、ちょうどシャーク鮫さんから上野であずまさんと飲もうとしているがどうか、とお誘いをいただき、予定より早めに退勤してうきうき向かう。こうやって急なお誘いをもらえるのがいちばん嬉しい。ちょうどタイミングがあってよかったな。すでに楽しい気持ちで、二人は味の笛で飲み始めたとのことで御徒町で降りればいいかと考えつつ乗り換えを計画していたら、こんできたから河岸を変えるとのことで、やっぱり上野から歩くことにした。お店はシノバズブルワリーひつじあいすで、エリアも羊もずいぶん重なるものだった。ガラスの壁越しにシャーク鮫さんが見えて手を振って入店。四人がけの席にすでに五人がぎゅうぎゅうと詰めており、たくさんいる!と愉快だった。テーブルの短辺のところに即席で作られた補助席みたいなところをもらって、さっそくビールをいただく。おいしいなあ。すでにサーブされている料理を近くに寄せてくれたり、気遣いに満ちた人たちで、ほとんどの人が犬か猫を飼っており、それぞれのいちばんを自慢しあったりした。しかしどういう繋がりの人たちなのかさっぱりわからない。あずまさんを中心に集まっているのだろうが、ひつじあいすのスタッフさんともお友達のようだし、シャーク鮫さんはもともと知っていた人なのかどうかもよくわからず、誰と誰がはじめましてで、誰と誰が旧知の仲で、というのが最後までわからない。どうやらインターネットのお友達らしいような雰囲気は感じて、だからこうして現場に集うのは珍しいのか、それともそうでもないのか、わかんないけどみんないい人たちで、お酒がおいしかった。これは、実に社交だった。二軒目はファミレスで甘いものが食べたいね、と話して出るも、どこも満席で、じゃあ路上でいいか、とコンビニで思い思いの品を買って歩いていく。御徒町駅前の広場で立ち飲みをする。シャーク鮫さんと焼酎を半分こして、アイスボックスに入れて飲んだ。唐揚げ棒をうれしそうに頬張る人や、アイスを齧る人などがいて、きのうの道重さゆみのラストライブの話をみんなで聞いたりする。今晩はじめましての人が、友達がもう一人きたがっていると言うのでみんなで湯島駅まで迎えにいく。上野広小路で一人帰って、あらたな一人と合流したところであずまさんも帰る。のこった四人に一人が加わった五人でもう一軒行って、新しくきた一人はシャーク鮫さんとも知り合いらしく、ますまず世間の狭さを感じるが、どうもこのすてきな人たちの親しんでいる圏内からすると、僕だけが異質なような気もしてきたが、結果的になんだかんだで近そうでもあった。お二人はさくっと帰る。まだ飲みたかったので、新しくきた一人と、魂の喧嘩をしましょう、とじゃれあいながら、シャーク鮫さんと三人でタクシーを捕まえて根津に出て、イーディで飲む。飲むといっても一杯目はカルピスだ。水割りでいいかと聞かれるのでそれがよいと応える。カルピスを飲みながらやいのやいのと話し、お酒も交えつつなんだかんだでそのまま朝まで盛り上がる。隣の席の紳士が、きみたち、喧嘩しようしようと言いながらまったくその気配がないじゃないか、と苦笑していた。店主から本を貸してもらう。ご厚意で始発までのあいだ二階のスペースで休ませてくれて、ギターを爪弾いていたり、居眠りしたり、水を飲んだり、ぼんやり喋り続けたり、窓の外の隣家の白壁が青白く朝の光に照らされる頃まで、いい感じの空気がほわっと醸成されていた。ただ楽しく遊んで一人で朝帰りなんて、結婚して以来つまりは十年ちかい時間の中で初めてのことではないか、と考え、まあ文化系トークラジオLifeがあるか、と思い直すが、あれは一応遊びと仕事のあいだみたいな感じで、遊んで朝帰りは初めてかもしれなかった。うれしいものだ。よい夜だった。
