2026.04.27

たった一泊二日のはずが、ずいぶん長く家を空けていたかのような気分だ。行きの新幹線で金曜の日記をポメラで書いておいたが、土日は充満したのんびりと充実した遊びとでみっちりしており、ものを書く暇などなかった。気分を切り替えるために寝巻きからきちんと着替えて労働。日記もちゃきちゃき書いてしまおう。カーブドッチにあった天童木工の中座椅子がかなりよかったよなあ、とか、KITPLUS のサボ型のルームシューズも気持ちが良かった、などと家の快適さにかこつけた物欲があれこれともたげてきている。もちろんワイングラスも欲しい。しかしワインはあまりわからないのもあって、道具よりもむしろ環境の方が大事だろうから外で飲むのがいちばんだろうとは思う。それはそれとしてワイングラスで映える日本酒が好きなことに気がついてしまったのだ。

夕食は薄切りの大根と豚こま豆腐の三品鍋。寝るまで録音。先週配信し損ねたのでこれもまた久しぶりな感じがする。個人的には自分のみみっちさや小狡さが奥さんによって追い込まれていくいい回になった感じがある。苦しい言い訳をしている時はつねに必死だが、録ったそばから他人事のようにそりゃないだろと呆れている感覚がある。日記も近いところがある。その場を取り繕うのに必死になればなるほど、その滑稽さや論理の綻びもまた大きくなり、それを文字や声として記録しておくことで自分の逃げ場がなくなる。そうなるとよりよくなるほかない。筋トレと同じようなものだ。破壊と再生。まず壊さなければ成長はない。奥さんからの追及は、たまに、しばしば、理不尽ないちゃもんだが、大体は筋を通した破壊をもたらしてくれる。僕は奥さんに好かれようとしてその場で取り繕い、失敗し、その責任をあとからとることになる。そのころにはいちゃもんをつけた当人はいちゃもんをつけたことですっきりしていたりもするのだが、なんにせよ僕はほんのすこしいい人間に近づいていく。いい人間であった方がいいので、これはいい。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。