2021.11.02(2-p.166)

日中速達で封筒が届いて、うきうきする。年内は柿内正午として三つ締め切りがあって、それだけで多忙、という感じがあるのだけど、文筆だけで生計を立てていける人というのは怪物だなと改めて思う。単純計算一ヶ月に十数本は締め切りがあるようでないと成り立たないのではないだろうか。連載などはまた違うのかもしれないけれど。連載、したいな。柿内正午は連載のご依頼をお待ちしております。もちろん単発の原稿依頼も大歓迎です。エッセイ、書評、対談、そのほか楽しそうなことはだいたいなんでも。どうぞ akamimi.house@gmail.com までお気軽にご相談ください。

そのほか自分のZINE の制作もあって、最低限の部数で作った試作品を読みながらミスを拾っていく作業を急ピッチで進めていた。これをやっていると本が読めないから早く終わらせてしまいたい。これを終わらせても原稿のあれこれもあるから十全に本が読めないのが歯がゆいが、ひとつひとつ丁寧にやっていきたい。もろもろ逆算するとZINE の作業は今日が最終日ということで、懸命に誤字を拾っていく。キリがないので今晩までで諦めると決めて、そこまでに加筆や修正を済ませて入稿してしまうことにした。日記本はやはりまとめて読み返すとそれだけで面白いもので、今回本にする去年の7月初頭というのは僕がまだガラケーだった最後の時期で、この本の時期のすぐあとにiPhoneを買うことになる。それからFGO にハマったり、日記の執筆と管理をNotion でやったりするようになって、日記の公開の場も自前のホームページに移行した。ポッドキャストを始めたのも今回の日記本の直後くらいからだ。手書きの日記を諦めてこちらの日記に一本化したのはたぶん今回の日記本の時期から徐々にそうだったはずだけれど、最近の日記はどうも生活記録の側面が強すぎてこのころのような読書や思索の記録という面が弱くなっているように感じている。でもこれは錯覚かもしれなくて、去年の7月の時点で僕は似たような感覚を感じていたはずで、それでも読み返すと具体性に欠けた変な日記だと思う。だから最近の日記も後からまとめて読み返すと別な印象を抱くのかもしれない。どうだかわからない。こればっかりは何度やってもわからない。

それで退勤後しゃかりきに手を動かして無事22時までには入稿やもろもろの支度を終わらせていて優秀だった。木曜日の本屋lighthouse さんのブックフェス出店準備もあとはメニューを印刷して荷造りするだけというところまで済ませておいた。楽しみだな、ひさしぶりのお店番だ。ド平日なので誰も来てくれないかもしれない。それでもお店番は楽しいだろう。本屋lighthouse さんで本が買える、というだけで十分に楽しみだった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。