図書館で借りた本の返却期限がすこし延びる。年末年始を挟むのだ。これがいちばん年の瀬を感じるかもしれない。僕はすぐに読む本は図書館で、買う本とは別だから読んでいる本はたいてい図書館だ。その年に読んだ本で手元に置いておきたいものを年末にまとめて買うのも楽しみだった。
今晩奥さんはライブに行く。二年ちかくご無沙汰だったのではないか。配信は悲しくなっちゃうから、とあまり観れなかった奥さんが、今週は二本ライブがある。よかったねえ、と思う。本人は来年の予定がないことを不服そうにしていたが、舞台も含め本当に告知が遅くなった。個人的な予定もほとんど立てられなくなって、だから今すでに少人数での新年会の約束があったり、春の予定まで決まっていたりするのが信じられないところがある。今日はなんとなく本が読めなくて諦めて手を動かす日にして、春に出すZINEの支度を始める。今回からの日記は下書きがGoogleドキュメントでなく完全にNotionに移行後のもので、これを一度テキストエディタに流し込みフラットな文字に変換する。これをAffinity Publisher に配置して加工していく。手を動かしているうちにこれは装画をお願いしたいなという、前々からうっすらあった予感が確信に変わったので作業を中断して依頼文を練る。昼過ぎに見直して送信。これからドキドキしながらお返事を待つ時間、と思っていたらすぐさま快諾のお返事があって、思わずアハハと笑ってしまうほど嬉しい。また楽しい制作になりそうだ。張り切ってだいたいの作業を一通り終わらせてみる。『町でいちばんの素人』と『会社員の哲学』の制作で今後の組版のルールなんかはすでに完成させているのでこのへん楽チンだ。
けれども今日の僕にいちばん必要なのは寝室の片付けで、パーティーの用意で寝室に細々したものを追いやっていたり、新刊の在庫もあるから荒れに荒れている。これをどうにかしなくてはいけない。今日はPopIn用のスクリーンも届いたので、その設置に伴う段ボールや梱包材の散乱もあって、やらないことには落ち着いて寝られない。えいやと始める。スクリーンの長大なダンボールに手こずる。設置したスクリーンを避けながらのカーテンの装着も手間取る。もろもろのちんまい捨てていいかどうか判断に迷うものがいつの間にか床に充実している。それらを可能な限り適切に処理して掃除機までかける。くたくたで、頭も痛くなってくる。すこし、横になろう……と気がついたら22時を過ぎていた。奥さんは外で済ませてくるようだし、同居人は夕食を作ってくれて先に済ませたようだった。反抗期で部屋から出てこない息子みたいだな、と思いつつ、起き出すとちょうど同居人がお風呂に入っているところで、そのあいだに夕食を済ませて皿を洗って、また寝室に引っ込んでしまった。日記を書き出す。せっかくスクリーンがきたし、大画面で映画を観ようと思う。大画面にちょうどよさそう、と『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にする。これまでは家にあった白布で間に合わせていたから顔がアップになると布の皺でゆがんでいたし、横移動が激しかったりすると酔ってしまいそうだったのだが、さすがちゃんとしたスクリーンは綺麗に映る。序盤から惜しみなくモンスターが出てきたり爆発や銃撃があって景気がいい。時間的に途中までしか観れないだろうから後半になるまで延々と説明が続くみたいな映画でなくてよかった。どんどん派手にやってほしい。