新刊告知の日。いつもは思いついた時にポーンと勢いで出してしまうのだけど、今回はたけのこスカーフさんが告知用のビジュアルを作成してくださるということで、それじゃあ告知日を決めて、その日までに色々仕込んでおこう、という気持ちに初めてなったのだった。各書店にご提案のメールを送ると、お返事に予約ページを作りましょうか、と書いてくださるお店もあり、そうか出来上がり前から提案しておくとそういうこともできるのか、と今さら気がつく。試作が届いたらすぐにお知らせするのではなく、前もって準備をしておくとやはりいいことがある。なにより予約というのはすごい。これで最終的な印刷数の検討を立てることさえできるではないか。正午にセットしたツイートに、あらかじめ準備しておいた文言と写真をツリーで繋げる。反応があると嬉しい。ないとつらい。とにかく最近はPCでしか見ないようにしているTwitterにへばりつかないように気をつける。
『孤狼の血 LEVEL2』を観る。先日観た前作がべらぼうに面白かったから、ものすごく楽しみだった。スケールも大きくなり、派手な画や、贅沢に使い捨てられるキャストも華やか。続編の理想形だ。けれども、意外性というか、ワンダーはなかった。期待通りではあった。だから期待しすぎたというわけではない。どちらかというと、正解すぎて物足りなかった。前作の中村倫也や竹野内豊のような、え、そこにその人が、というような役と俳優の絶妙なズレと、ズレがあるからこそ醸し出されるえもいわれなさのようなものがなかった。その役はその人がやったら似合うでしょう、という人が、たしかに似合っている。そういう感覚。あと、続編の理想形のような映画だったことも、僕には違かったようだ。僕は活劇ではなく、綱渡りが見たかった。ガミさんの薄氷を履むような日々。前作のすでにハマり込んだ袋小路でそれでもギリギリのところで踏みとどまる緊張感が好きだったから、最初から踏み越えてしまってはなんだか安心して観れてしまって、誰が死んでもそんなに怖くない。そりゃ火蓋が切られてしまえばそうなる、というような。火蓋を、え、火蓋ってなんだ? 「火縄銃の火皿の火口をおおうふた。」へえ。それが切られないように、切られないように、というところを見たいのであって、チャカ撃たれてしまってはもうそこからはわちゃわちゃするしかない。銃というのは最初の一発までの緊張がエロいのであって、始まってしまえば、モロ出しの裸体と同じように身も蓋もなくなる。身も蓋もない、なんか今日は蓋づいているな、ええと、まあそういう身も蓋もない楽しさというのもあるのだけれど、僕は身も蓋もない中身が見えそうで見えない時間をなるべく長く楽しみたかったようなのだ。活劇が観たい気分の時に再見すると大はしゃぎできるかもしれない。
それからTwitterを確認して、いつもより初動がいい気がするけれども、前回どうだったか忘れてしまっている。じわじわと長く売れた方が楽しいので、結局は速さよりも長さだ。けれども楽しみだと言ってくれる人がいると、とても嬉しくなる。今回は僕だけの本ではないので、しっかりがっつり売っていきたいなあ、と強く思っている。同人活動は千貫のかたに編笠一蓋。けれどもやったるぞと蓋世の気だ。始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな。蓋蓋蓋蓋。