今日はひどく集中力がなかったので映像ばかり観ていた。血みどろを浴びたかったが、午前中は予定が細切れにあったのでアニメを流しながらまじめに作業。ふんわり日常系アニメをみているとほんわかしてきて、人の内臓を見たり悲鳴を聞いたりしたい気持ちがさっぱりなくなってしまう。それでも、午後は単純作業に手を動かしながら和洋残虐映画二本立て。『真・事故物件』からの『テリファー』。両作とも、直前に『Do It Yourself!!』を観ていた身としては「弓鋸をそんなふうに使っちゃダメ!」という気持ちにさせられる映画だった。
『真・事故物件』はアバンタイトルが秀逸。シンプルな筋立てなのに終盤の種明かしがやけに持って回っていて、ホラーにおいて因果関係とかまじ適当でいいのにな、と惜しい気持ちになった。全体的に台詞のほとんどが説明のためにしか機能していないくて、『デス・プルーフ in グラインドハウス』がやりたかったのならもっと無意味で過剰な駄弁りを撮ってほしい。ゴア描写も思ったより手心が加えられているし、いやいや四肢切断されてそんな元気いっぱいに叫ばんやろ、など白けるポイントも多い。オープニングとラストカットの楽しさに誤魔化されるけど、もっと面白いものを期待してしまっていた。あまり期待せずに観ればよかったのかもしれない。
つづく『テリファー』は『真・事故物件』の不満をすべて晴らす快作。殺しになんの意味もなく、殺人鬼に至っては一言も声を発さない。痛そうな場面ではカメラは容赦なく対象に据えられ、なにより全員ちゃんと痛そうな演技をするから、こちらも顔がイーッてなる。鋸の使い方がほんと嫌だった。アナログな道具でとにかく痛そうな殺し方を連発するから、なるべく苦しめたいのかと思いきやあっさりと銃で頭を撃ち抜いたり、こちらの意表をつくタイミングも巧み。最後までなんのメッセージ性もなく、ただただ怖いピエロに追いかけ回されるだけの映画で、ストーリーがスカスカなぶん、多彩なビジュアルで引っ張る作劇は見事。今日の二作はどちらも続編が決まっているのだけど、『テリファー2』はいまのところ日本での上映は未定らしい。観れるものなら映画館で観たい。そして激しく後悔したい。
30を過ぎた僕の夢は、映画の残虐描写を演じることだ。カメラの前で大袈裟に血反吐を吐いたり、内臓を引き摺り出されたりしたい。めっちゃ嫌味なおっさんの役とかで、殺されるとき観客に後ろ暗い爽快感をもたらすような役がいい。ズボーン! と首が取れて、雑にそのへんの床とかに転がされる描写があったら最高。その首と記念写真撮りたい。僕はどうやらホラー映画を演じる愉しみを羨むように観ているようだった。そういえば大学生のころ一本だけ先輩の映画に出た。あれはホラー映画だった。あの頃の僕はすかしてて、映画だったら写実的な演技をするべきみたいな最低の阿呆だったけれど、今だったら嬉々として外連味をきかせて演じるのにな。いまさら悔やまれる。
実家のグループLINE に母が乗馬してるキムタクの映像を投稿してきたので驚いた。まさか岐阜まで行っただろうかと思ったが、マンションの管理人の配偶者の友人が撮ったもののお裾分けらしい。チェーンメールみたいだな、と思う。高校生の頃は美輪明宏の待受画像が回ってきたっけ。