上野の羊とクラフトビールのお店で昼から飲んで、昼から飲むのは楽しいのでご機嫌だった。上野は昨日も来たけれど、いつももうひと遊びしたい時にどうすればいいかわからなくなる町である。そんなことを話しながらビールを飲んで、モモ、プルドラム、羊ラーメンなんかを食べる。
さてどうしようかねえ、と御徒町のほうへ歩いてパルコなんかを冷やかして、秋葉原まで歩いてあの2201みたいなとこ覗いてみようか、と僕は言った。3331だった。ここの物販がいつもけっこう好きだ。今日は沼注意のステッカーと、たこきのこの編みものがよかった。ギャラリーでは美大生の制作物の発表会が催されており、次に作る本の装画になりそうな絵はないか、という観点で見ている自分が面白い。会場を出て、階段のところで奥さんが、次の遊びは日向ぼっこです、と宣言する。最高にいい考えで、段々に腰掛けてぼけーっとした。日を浴びながらスマホをいじっていた。昨晩から『デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い』という漫画を読んでいて、僕は『憂鬱くんとサキュバスさん』だとか『小林さんちのメイドラゴン』だとか、強大な力を持った人外が人間のちんまい日常にほだされていくような話が好きらしい。どんどん読んじゃう。
ずっと気になるって言ってるし、いい加減ちゃんと脱出ゲームをやってみるか、と近くの脱出ゲームのお店に行ってみることにして、奥さんは以前チャレンジした五百円くらいで制限時間一五分とかのお手軽脱出ゲームに惨敗して以来すこし苦手意識がある。でも謎解きは楽しいから気になってはいる、という状態でもうけっこうな時間を過ごしている。予約しないでも三十分も待たずに遊べそうで、ちょうど初心者向けのやつが遊べるようだった。そのへんをぷらぷらして戻ると始まって、壁面にタイマーが投影される。そもそも何をすればいいのかわからないまま平気で十分経って、歯が立たなくて楽しめなかった記憶が蘇る。なんにもわかりません、とヒントを乞おうかと本気で考えた。そもそもの導入にたどり着くまでがいちばんたいへんで、そこからはちゃんと楽しめた。二人でちょうどよく協力しながらあれこれと進めていって、なんとか脱出成功。おお、楽しかったんじゃない?
ロイホでおやつ。いまは紅玉フェアで、焼きリンゴのクレームブリュレがとてもおいしかった。これはもう一回くらい食べに来たいかも、と調べてみると11日からいちごに切り替わってしまうらしく、駆け込みで食べられたようだった。秋葉原のロイホで日が暮れていく通りを眺めていると、今日もよく遊んだなあ、と満足な気持ちがやってくる。ドンキでカラコンを物色するのについていって、モデルの人たちの顔がだんだん同じに見えてきて、僕もあと二年もしたら若い人たちの顔がみんな同じに見えてくるのかもしれない、と怖い。どこかのビルで『少女終末旅行』のポップアップがやっているようだったからここも寄る。コンセプトがよくわからなかった。『ゆるキャン△』特集もあって、眺めているのは楽しかった。フィギュアの階の一部の棚は薄布で隠されていて、18禁だそうなのだが、ほかのフィギュアと何が違うのかよくわからなかった。ショーケースの中にも乳首丸出しのがあったりして、余計にレギュレーションが不明だった。付け替えられる表情のバリエーションに、ぁ”あ”ぁぁッ、みたいなのがあるかどうかなのだろうか。
帰って夕食は闇ホイル焼き。同居人がさまざま仕込んでくれたホイル焼きをわくわく開封しながら食べる。楽しい。これはいい遊びだ。どうしても家にいると不確実性というか、予測できないことというのは起きにくい。日常にコントロールできないものを呼び込みたい、という話から企画されたのだが、かなりよかった。満足。なぜかきょうも夜更かしだ。明日仕事したくない。