日記の校正を21年の8月まで進めたかったが、7月までが精一杯だった。『阿波連さんははかれない』を読み出してしまって、ほとんどの時間これを読んで過ごしてしまったからだ。阿波連さんもライドウくんもかわいくていい子。石川と佐藤もいい。みんなかわいい。こういう漫画は友達の母親くらいの距離感で読んでしまう。21年の僕の日記はとにかく荒れていて、葬式と保坂和志との対談と五輪がいっぺんにやってくる。心身ともに参っていたが、なにより文が乱れている。自分でも読み返す余裕がなかったのが丸わかりな文字列で、読み返していると当時のしんどさがぶり返すようだし、かわいそうに、と他人事のようにも思う。状況としてはなにも好転していないのだが、マスクは外して五類に引き下げるそうだ。いまだに最悪を更新し続けているの、怖い。緊急事態宣言もそうだったが、制度を先に変えても現実の側が合わせてくれるわけでもないということもわからないのだろうか。わかっていなくても、わかっていてやっていても、合理的判断の不在ほどおそろしいものはない。なんでこんなことになっちゃうのだろうか。
仕事終わりにSkype で午後さんと録音。午後さんはなにを訊いても、それはね、と整理された答えがすらすら返ってくるのでたいへん賢い人だなと思う。同人音声作家はみんなホメロスなんだ、という発言に大喜び。先生に教えをこうようにして面白く聴いた。録音後の雑談で、カトリック教会の告解のサクラメントについて日本語で読める通史は「ドスケベシスターとは何か」くらいしかないんじゃないか、と話していて、頼もしくて笑ってしまった。このあたりの勉強している人が、論文なんかを書くときに参考文献に挙げたくてもタイトルや内容がドスケベだから挙げられないみたいなのって楽しいじゃん、とにこにこしていて、ぺダンチックはこうでなくちゃ。あー面白かった。
風で部屋が揺れている。隙間風がえげつない。西側は吹雪らしい。風の音に怯えた奥さんは布団を頭までかぶっている。指先の感覚がない。昼からおならも止まらない。寝れるだろうか。