2023.02.08

『ほんのこども』の熱に浮かされて、小説を読むぞという気持ちが久しぶりに大盛り上がり。ソローキン『青い脂』を始めることにする。はじめてのソローキン。ちかく信頼できる先輩たちが傑作とする作品が二冊もいっぺんに復刊されるらしいというのを知って、まずはこれかしら、と手にとった。単行本は二段組。二段組大好き! 見た目から大盛りで気前がいいから。もりもり読むぞーといううれしさ。

本屋では『ラーメンカレー』と『文學界』を買う。窓目くんの本と、窓目くんとの対談が載っている雑誌。なぜ窓目くんはあべくんではないのか。書き手の「私」というか自意識の薄さと、それに起因するような近距離からの他者の書きかた。他者を書くことの屈託のなさがもたらす効果が対照的であることは、このふたりの作家の問いや方法が似たようなところをみはるかす、そのことを示しているようにおもえるが、これもまた、読み手側に書かれたものを同化させるような乱暴さがある。なんにせよ読むのが楽しみだな。

昼ご飯を食べながら読んでいたのは『ユリイカ』。こんなに楽しく読む『ユリイカ』ははじめてかもしれない。いつも特集にときめいて、そのときめきを超えることはないようなのが僕は『ユリイカ』だった。三宅唱特集。監督と対談する蓮實重彦のはしゃいだ感じがすごくいい。平倉圭の文章にこうも明晰に画面を見ることができるのか、と感動する。岸井ゆきののインタビューや、スタッフたちの鼎談に、現場の言葉の素朴さに胸がいっぱいになる。ほんとうにすごい映画、もう一度映画館で観ようか、なんならしばらくこれだけ観ることができればそれでじゅうぶんかもしれない、とまで考える。

なんでだかきょうは雨も降ったのに朝からシャキシャキ元気で、小説はからだにいいのかもしれない。あとダンベルも再開したから小説読んで筋肉をいじめると健康なのだと思う。うれしいね。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。