自作本を出すと告知やエゴサに励んでしまって健康によくない。でも投稿すればするだけ本が動くし、本が届いて喜んでくれている様子や楽しそうに読んでくれている姿はいくらでも見たい。ううむ。
イベントや即売会に参加して人と会うと既刊含め本が動くというのを、自主制作の規模でさえ実感するのだから、もっと大きな市場を相手取るような人たちがどんどんマスへと露出していくのもわかる気がする。それでおかしなことになってしまうのも。まだまだそんな規模の波に攫われるような感じではないから、こんなことを言うのはちゃんちゃらおかしいのだけど。味見というのはほんのひと口でもいいはずだ。ミニチュアによる実験もある程度の近似値は出すだろう。
「差異と重複」と併せて自分の日記(ほぼ日5年手帳)を読むとめっちゃ楽しい…。私が仕事で怒り狂ってる日に柿内さんはポメラのこと考えてたり、柿内さんがアイスまんじゅう食べてる日に私はどら焼き食べすぎて胸焼けしてる。日記つけてる人やってみてほしい…楽しいよ…。
https://twitter.com/jyue___/status/1646485128045281281?s=46&t=P8naJHLI5UvXF4TGuRLbuw
この遊び方がとても楽しそうで、楽しそうに遊んでもらえて嬉しい。遊び相手のような本が作れたんだな。これ僕がやるとポメラのこと考えてる日にポメラのこと考えてたり、アイスまんじゅう食べてる日にアイスまんじゅう食べてることになるので、重複しかしない。ぜひ他の人の日記との差異をたくさん教えて欲しい。
Instagramには『差異と重複』の開封動画まであがっていて、愉快な心地。しかし、今回、ちょっと売れすぎだと思う。僕の元からなくなるのはともかく、書店での動きも早いようだ。あちこちから完売のお知らせが届いて、だんだん悲しいような気持ちすら湧いてくる。本が売れて嬉しい以外の感情がやってくるというのは意外なことだった。僕は本はゆっくり届くから好きなはずであるし、こと僕の本はこんなに焦って買わないといけないようなものではない。そのはずだったのに。やはり「限定」という言い方が人を焚き付けたのか、はたまたみうらじゅんのいうように人は「大量」に弱いのか。他の本と比べてとびぬけて動きが早いのは、単にこれまで積み重ねてきたものが実ったという感じでもないように思うのだ。だってこれの前に出した『雑談・オブ・ザ・デッド』はそれこそ200部だけれどまだあるよ?
先週以来、きょうは発送も納品もしないでただ労働する日。ふと凪のような時間があると一気に疲れがやってくる。筋肉痛もある。この二週間弱で誇張でなく体が一回り大きくなった。体を作るには本を作って売るのがいいんじゃないだろうか。次は『本でムキムキ 納品筋トレ術』みたいな本を作ろうかな。惹句は「人に本で“体”になる」だ。50部も売れないだろうけれど。僕しか喜ばないようなものを作ってキャッキャっと喜びたい。それを面白がってくれる人がいたら猛烈に懐いてしまうだろう。
15分くらいの隙間時間に本を読みたくても事務所だとなかなか難しい。全盛期の喫煙所みたいなノリで読書室を設けてほしい。
明日はすこしゆっくりすることにした。体を休めて、もうひと遊び。初夏までは用事がいっぱいなのだ。
